アスワンの選んだ8枚 | (総論)
97年もスムース系全盛のサウンド.しかしどれも柳の下のどじょうという感じで、どっかで聴いたサウンドの焼き直しという『耳タコ』サウンドが多かった様に思えます.そろそろ『聴きやすい』サウンドから『個性のある』サウンドへ転換しないとファンが離れていくのではないかと危機感を持ってしまいます.ただ、昨年と比べると今年は面白い作品は多かったと思います.そして新しいサウンドの芽も出ました.98年はこのコーナーで20〜30枚紹介できることを祈ってます. |
| John Mclaughlin | 「The Heart of Things」 |
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バンドとしてのサウンドを聴かせてくれます.ゴリゴリのサウンドが少ない年でしたが重いサウンドもスカ〜ッとさせます
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| Zachary Breaux | 「Uptown Groove」 |
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スムース系で今年一番聴いた作品はこれですねぇ.本作が遺作となってしまいましたが、つくづく残念です.
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| Jim Beard | 「Truly...」 |
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彼独自の世界はソロアルバムだけでなく、各種セッションでも光ってました.今一番注目しているキーボードプレイヤーです.勿論この作品もアイディア一杯の作品です.
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| Eric Le Lann | 「New York」 |
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マイルスのバンドを彷彿させるサウンドです.特にM.Sternのギターが光ってます.このメンバーで次作もリリースして欲しいと思います.
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| Toninho Horta | 「Serenade」 |
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『Durango Kid』のライブ盤というべき作品.純粋なFusionではないかもしれませんが、彼のハモニーとメロディが持つ個性とオリジナリティはピカイチだと思います
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| Bill Evans | 「Starfish & the Moon」 |
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この人はどの作品もアッ!!と言わせますねぇ.彼独自の『毒』を失わずJim Beardや各自メンバーの個性を上手く引き出しています.
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| Pat Metheny Group | 「Imaginary Day」 |
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新生メセニーのサウンドの始まりです.第3期PMGサウンドというべき今までにないサウンドです.ワールド系のサウンドがFusionの新しい波になることを予感させます.アイディアでは 今年ピカイチの作品でしょう.
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| Jeff Berlin | 「Taking Notes」 |
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テクニックを全面に押し出したミュージシャンって好きではないのですが、気持ちが良い程コロコロと転がる様なハリングは『音楽』になってます.スラップレスのベースも新鮮に聴こえます.
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美芽の選んだ8枚 |
| 和泉 宏隆 | 「Forgotten Saga」 |
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長い間、フュージョンではアコピの出番が少ないことからピアノをやってきたことをつまらないことだと思っていましたが、この作品は私とピアノを仲直りさせてくれました。音数が少ないことやピアノ1台ならではの音の素晴らしさを改めて認識させられます。メロディラインも自然な美しさに溢れていて去年最もよく聴いた・弾いたアルバムになりました。
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| 神保 彰 | 「Stone Butterfly」 |
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松居慶子さんのピアノがひらひらひら〜と舞うように流れるのが印象的なアルバム。神保さんのソロは叩きまくりでないというのはもはや定石となってきましたが、本当に温かくなつかしくふわっとした美意識で統一された世界です。疲れたときによく聴きました。メロディメーカーとしての神保彰の実力を感じた1枚。
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| 野獣王国 | 「野獣王国LIVE」 |
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インディーズならではのライブの2枚組。おじさまたちによるとにかく濃いサウンドが続きますが、発売当時気に入って朝からこれを聴いていました。マニアック度は高いかもしれないですけど、是方ファンにはたまらない1枚(笑)。ライブに行けないときにこれを聴くという聴き方も正しいのでは。
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| カシオペア | 「Light and Shadows」 |
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ここ何年かのカシオペアの作品では文句なく一番よい出来でしょう。「GOLDEN WAVES」は名曲だし、神保さんは叩いてるし。神保さんとカシオペアっていうのがやっぱりしっくりくるし、そこから生まれる気持ちよさがサウンドのレベルを一気に押し上げているんですよね。昔からの「スリル、スピード、テクニック」も保ちつつ印象はよりゆったり伸びやかになっていて、素晴らしいです。
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| T-スクェア | 「Blue in Red」 |
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則竹ファンとしては、メランコリックで詩的なバラード「TOOI TAIKO」がとにかく心を打つということが一番言いたいのですが、他の曲もとてもいい曲ばかりです。サンプリングを使った「GOOD BOYS & BAD GIRLS」は今聴いてもとてもユニークで楽しい。本田さんの「トレイラ・アレグレ」も完成されたお洒落でコクのあるボサノバだし、曲の粒がそろっているアルバムですね。
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| 木住野 佳子 | 「RANDEZ-VOUS」 |
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フュージョンに初挑戦、みたいなアルバムなんですが、とっても良いです。木住野さんのピアノの音が綺麗に響いていて、すがすがしくて、柔らかくて、陰影があって。さすが、プロデューサーがフィリップ・セス! というべきなんでしょうか。マイケル・ブレッカーが1曲吹いてるっていうのもマルだし、曲も躍動感がありつつ上品って感じで、この人には要注目です。次回もフュージョン作ってほしいなあ。
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| Fourplay | 「Best of Fourplay」 |
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ベスト盤なんだけど、フォープレイなのでベストアルバムになってしまう(笑)。もー、フォープレイのみなさんたらっ!! リトナーのギターが好きだったんですけど、この後ラりー・カールトンに変わるということで、どうなるんでしょうね。なんだかんだいって、しょっちゅう聴いてる1枚です。ドキドキするくらい計算されつくした音だけが演奏されているサウンド。大人の気分になれます。
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| Pat Metheny Group | 「Imaginary Day」 |
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民族音楽をかじったことがある私としては、アジア各地の民族楽器音を大胆に使ってるので非常に驚きました。素材はいくらでも世界中に転がってますけどそれをどう使うかとなるとかなり大変なことです。天才的、さすがパットメセニーというしかない。思わず取材で行った「シルクロード音楽の旅」のCDと聴き較べちゃったりした思い出があります。文句ない名盤ですね。3月の来日が待ち遠しい!!
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