CyberFusionのライター3人が1996年1年間に数多くのアルバムがリリースされた中から選んだそれぞれのベストアルバム計10枚です。 打ち合わせなしで選んだところライターの趣味が露骨にでてしまいましたがご容赦ください。


アスワンのBest5(総論) 今年のベストアルバムを5枚選びました.  残念ながら正統派FUSIONは本田俊之だけで他はブラジル系とJAZZ系になってしまい ました.Fusion は丁度サウンド的に新しいアイディアが飽和状態で新しいサウンド が産まれる過渡期にあるのでしょう. 97年に期待します.
Nando Lauria「Novo Brasil」
今年のベストアルバムは文句なくこの作品でしょう. 前作「POINTS OF VIEW」より彼の個性とオリジナリティが強く出て彼のサウンドが 完成した作品です. アイディアやアレンジの斬新さに加えて、T.オルタやP.アズナ ールに匹敵する幻想的なボーカルはインパクトがあります.
Anna Caram「Sunflower Time」
アシッドボサノヴァという新しいサウンドで今年一番の出来はこのアルバムです  インコグニートのJ.P.ブレイ・モニックのアレンジは他の同様なサウンドより群を 抜いてセンスの良さを感じます.
Martin Taylor「Portaits」
超絶ギタリストです. ギターを聴く場合、速さや複雑なフレーズを得意とする人に 対して「プロだから出来て当たり前」というスタンスです. でも彼の場合は、プロ でも真似出来ない超絶プレイです. 「I Got Rhythm」では背筋がゾクゾクする程です
本多俊之「Sax・Holic」
ネオ・ノスタルジアというべきサウンドです. ノスタルジックな雰囲気のあるメロ ディーに最先端のアレンジを施して、彼の毒を振りかけた様なサウンドでインパクトが あります. 彼の才能豊かな面が十分に伝わるサウンドだと思います.
Elements「Untold Stories」
92年の「Far East VOL.1/2」に続く彼らのライブの続編です. かなり個人の趣味に偏った選出ですが、ストレートなサウンドが最近少ないだけあって 却って新鮮に聞こえます. 
 
美芽のBest2
T-SQUARE「B.C.A.D」
ハデさはさほどないが、スクエアの王道パターンをいい意味で生かしつつかなり 細かい音作りで聴けば聴くほどに発見がある。ピアニストは自然の美しさの表現 に定評のある和泉宏隆のピアノソロ曲「TERRA DI VERDE」に是非挑戦されたい。
神保彰「flower」
心地よい・・・というアルバムはいくつもあるが、これは美しさを兼ね備えた アルバム。特に1曲目の「BLOOMING FOREST」は柔らかい光に包まれるような 錯覚を覚えるくらい、美しくやわらか。今年聴いた曲のなかでもトップクラス の出来だと思う。

橋 雅人のBest3
Michael Brecker「Tales from the Hudson」
マイケル久々のリーダーアルバム、フュージョンというよりはアコースティック・ジャズ色の濃い仕上がりですが、存分にマイケルのサックスが聞けます。 今最高のテナーサックス奏者の充実しきったプレイが堪能できます。
Larry Carlton「The Gift」
こういうのを円熟というのでしょうか。ルーム335で一世を風靡した カールトンとは違った彼がいます。何とも言えない心地よい気持ちにさせてくれる一枚です。
Norman Brown「better days ahead」
センス、テクニックどれを取っても今一番いきのいいギタリストがノーマン・ブラウンでしょう。彼のポップなアレンジに乗って弾きまくるギターが思う存分楽しめます。


1996年分New Disc Reviewへのリンク

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