1998 Best Albums
アスワン

Fusion冬の時代到来ですねぇ.今年は新譜がなかなか出ません.不況の嵐がここへ及んだんでしょうか??
そういう中、今年のベストアルバムを選んでみると、ワールド系の新しいサウンドを取り入れた、今までのサウンドの枠を超えたものを好んで聴いていましたねぇ.
今年選んだ新譜のみとして、再リリース盤はあえて外しました.この中から今年にNo.1をあげろといわれれば、N.リーかT.グルツのどちらかですねぇ.

Paolo Fresu「Angel」BMG(74321558642)
イタリア人のトランペッターの作品です.スムースジャズが売れて(スムースジャズしか売れない)硬派な路線というのは、レコード会社も出しにくいんでしょうが、そういう中で貴重なサウンドでした.N.リーのギターが大爆発した作品でした.

Andy Narell 「Behind The Bridge」HEAD UP(HUCD 3047)
Fusionでスティールドラムを弾く(叩く)人は数少ないんですが、その中でもトップクラスのミュージシャンです.久々の新譜です.カリプソ系のサウンドに楽器の持つ幻想的な雰囲気が非常に心地良い響きとなって心に染みました.

郭英男(Difang)「Circle of Life」ROCK/コロンビア(RCCA-2013)
これは純粋なFusionではありません.台湾の古代より伝わる民謡をシンセのバックに載せて、日本の姫神の様なサウンドを聴かせてくれました.Asian Fusionのヒントとなる作品だと思います.

Maria Joa & Mario Laginha「Cor」Verve(557456-2)
これも純粋なFusionではないですねぇ.スラブ系の言葉で歌い中近東音楽+スラブ系東欧系民族音楽+クラシック系ピアノ+印度系パーカッション+都会的ソリッドなギタのサウンドはインパクトがありました.T.グルツ、W.ムートシュピエールが参加してます.

Edward Maguire 「Jasmine」truspace(TSJD 9703)
どういう素性の人かよく分かりません.ベーシストでありながらキーボードやヴァイオリンまでこなす人です.メセニー系やJ.ベアード系やワールド系のいろんな音を聴かせてくれました.次の作品も聴きたい!!と思った作品でした.

Torilok Gurtu「Kathak」EscapadeMusic(ESC 03655)
T.グルツの会心作です.彼の最高傑作と言って良いでしょう.自信のインドのサウンドを真っ正面から受け止めそれとポップなセンスとFusionっぽいサウンドとミックスした、上質なサウンドに仕上がってます.

Nguyen Le「Maghreb & Friends」ACT/WORLDJAZZ(9261-2)
90年代後半に登場した最もインパクトがあったギタリストの一人です.本作では東南アジア(?)のサウンドやアフロ系(?)のリズムを取り入れた無国籍なオリジナリティ溢れるサウンドでノックアウトしてくれました.

Jeff Lorber「Midnight」avex ideak(CTCR-19002)
打ち込み系ダンス系ポップでメロディアスなサウンドの第一人者というべき存在の彼が、いち早くこの路線を捨ててしまったのが、常に時代の最先端にいた人だけに興味のある作品でした.

Michael 'Paches' Stewart「Penetration」Hip Bop(HIBD8018)
プロデューサーの個性がサウンドにここまで現れるという作品も珍しいですねぇ.J.ベアード大好きな私としては、はまってしまった作品です.

UZ 22「Renascimento」Malnandro Records(MAL 71006)
ブラジルのミナスサウンドの作品です.M.ナシメントの作品のカヴァーです.ギターBeto Lopesという人は、友人によればT.Hortaの弟分らしい存在だそうです.

Brazilian Love Affair「Rio de Janeiro Blue」meldac(MECP-25103)
これも純粋なFusionじゃぁないですねぇ.ブラジリアン・ポップスという作品です.ディレーネ・フェラスのボーカルが好きではまっています.バンドとしての個性も出てきて、大仰なアレンジはこのバンドの個性を表してます.

Michael Brecker「Two Blocks From The Edge」Impulse(IMP 12612)
マイケルのJAZZ路線の第二段です.8曲目のブルースで吹く高音と低音の交互のプレイは脳味噌錯乱級もののインパクトがありました.

Eric Gale 「Utopia」Rooms(BMCR-7025)
普段はミュージシャンが亡くなった後に、葬式商法で出る作品は興味がなく買いませんが、試聴して気に入ってしまいました.ほのぼのとした雰囲気が彼の死去の悲しみを増幅させます.

Joe Zawinul & The Zawinul Syndicate「World Tour」ESC(03656-2)
ご存じ、Weather Reportの中心人物です.彼のソロで披露した斬新なサウンド/ワールド系のサウンドやいろんな音楽を消化した彼自信のサウンドをベスト盤の様にライブで聴かせてくれます.質の高い演奏力もこの作品の魅力です.

Al Di Meola 「The Infinite Desire」Telarc(CD-83433)
ワールド系のエッセンスもますます円熟味が出て、新しいサウンドの予感を感じさせます.「Race with on Turkish Highway」には笑わされました.

Steve Khan and Rob Mounsey「You are Here」SIAM(SMD-50004)
今年のラストを飾る作品ですねぇ.ロブ・マウンジーのセンスが光るサウンドです.抑え気味のS.カーンのギターも味があります.

Rohn Lawrence「See Ya Around」Jazzateria(jzzd20300-2)
黒人のカールトンと例えてしまう程、ギターがよく歌っています.最近珍しくなっ た正統派のギターFusionアルバムだと思います.


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