2001 Best Albums
TKO

2001年・・・・ああぁ、もう過ぎてしまったんだなぁ。昨年のBEST ALBUM・・・そういう季節になったんだなぁ、1年って思えば早かったなぁと思う昨今。
それで昨年のFUSION BEST10は何にしようかなぁと考えたのですが、意外や意外・・・・いつも何を選び入れるかで苦労するのに、今回はどれを落とすかで苦労しました。リリースされたFUSION作品数は減少してるものの、気づいてみると気に入った作品は割とあった1年だったようです。

1位 Mike Stern 「Voices」

最初聞いた時は「なんだかなぁ」としか思わなかったのですが、このメロディ・ラインが脳裏にこびりついて、何度も聞く度にジワジワきました。声にかぶさるギター・・・そこからギターが遊離して空間を駆けめぐる・・・あまりに素晴らしい傑作。 なんと言ってもリチャード・ボナのヴォイス参加が素晴らしい。彼の声がスターンのギターを奮い立たせたのでしょうか? ボナとスターンの出会いと共演がこれほどまでの傑作に結実しました。

2位 Alexander Zonjic「Reach For The Sky」

昨年出たFusion作の中で、完成度が非常に高いと言ったらコレが思い浮かびます。
主人公の名前は地味ながら、多彩なゲストで、より豪華に、良き時代のFUSIONを彷彿する作品に仕上がってます。アール・クルーのサイドというのも珍しいギター版アンジェラやジェフ・ローバーの参加など、嬉しくなるような共演が楽しいです。
フルートというFusionのややメインからはずれた楽器であるからこそ、ここまで素直に聴き入ることができるのでしょう。

3位 渡辺貞夫「My Dear Life 50th Anniversary Collection」

Best盤とは言え、新録もある作品です。やはりナベサダって自分にとっては Fusionの基本というか、彼の作品を聞いたからこそFusionの面白さがわかっていった経緯もあり、懐かしさも手伝って聞き込んでしまいました。聞いているうちに何とも言えない和んだ気持ちになります。

4位 Charlie Haden/Egberto Gismonti 「In Montreal」

ECMレーベルの昨年出した作品で、全盛期のECMらしい雰囲気を最も持ったのがこの作品ではないかと思います。もっとも吹き込まれたのは10年まえですが、なぜその当時にリリースされんかったのが不思議なBEST的なライブアルバム。 エグベルト・ジスモンチのギターはもちろん、それよりもあまりに美しいピアノがふんだんに聴けることが嬉しいです。それにチャーリー・ヘイデンのベースが絶妙です。 心が洗われるというか、もう意識が遠のいてしまいそうな恍惚を覚える素敵な旋律。 1枚聞き終えるともう声も出なくなるほど堪能する大傑作です。

5位 Bill Frisell「bill frisell with dave holland and elvin jones」

このメンツによる不思議な共演は何度も聞いてて不思議な気持ちにさせられます。 なのでまた聞きたくなるというか・・・麻薬的1枚ですね。 そういや過去にメセニー、マクラフリン等のコンテンポラリーなギタリストが、御大JAZZミュージシャンと共演した作品を出してきましたが、それに方向性は似ているものの、そのなかでも飛び抜けて異様なのが本作です。

6位 Herbie Hancock「Future 2 Future」

BESTを選ぶ際に、まっさきに落とそうと思ったのがこのハンコック盤。(笑) しかし、このハンコック盤を考えただけでメロディが浮かんでくる・・・。 インパクトの強い作品には違いなく、気が付けば何度も聴いていたし、メロディもしみこんでいるんですよね。はずそうにもはずせ無いというか・・。 やはり、御大により力作というのは言い得ぬ魔力を持つというか・・・。

7位 Michael Brecker 「Nearness Of You」

昨年出た作品の中で、もっとも充実し、メンバーも最高だし、プレイも最高・・・昨年だけでなく、10年後にも聴かれ続けることを念頭に入れて吹き込まれた作品のような気がします。いつもと違って内省的なマイケル・ブレッカーというのが、こんなにも歌心に溢れたSAXを奏でるとは・・・聴いていると息をのむほどに素敵な瞬間が訪れます。 え?それでなんで1位じゃないかというと、まだまだジックリ聴き楽しみたいじゃないですか・・。

8位 Richard Bona 「Reverence」

もし、2001年最も活躍したプレイヤーをあげるならば、このリチャード・ボナでしょう。マイク・スターン、ランディ・ブレッカー、マーリー作品集など、いろいろな作品に顔をだしてます。 そして自己のリーダー・アルバムも非常に素晴らしいです。このリーダー作ではアフリカ風なボーカル路線も良いですし、ベース・プレイも超絶。ナチュナルな雰囲気が何とも魅力です。多彩なだけに今後どういう活躍するかも楽しみな人です。

9位 Mathieson,Laboriel,Landau & Colaiuta 「Live at the Baked Potato 2000」

グレッグ・マティソンはあまり作品を出さない人ですが、久々に出されたこの LIVEを聴いていまだに健在なんだと嬉しくなりました。バイクドポテトにおける過去のLIVEではどちらかというと共演者にスポットが当たったようですが、本作はマティソン自身をフューチャーしていて、西海岸FUSIONの爽やかなサウンドとLIVEの熱気が同時に楽しむことができます。

10位Keith Jarrett「Inside Out」

最後の最後まで迷って、入れ替えて10入りさせちゃったのがこのキース盤。 それまでの聞きやすい路線から、アブストラクトをいれ、より美しさをまとった、ちょっと聞き手によっては好みの別れそうな作品。

次点Lee Ritenour「a twist of marley」

最後に落としちゃったのがマーリー集。レゲエのというよりは、各ミュージシャンの解釈とテクニックが楽しめました。twist〜はジョビンに続いて2作目ですが、今後も続くのでしょうか???

番外 Pat Metheny「Imaginary Day Live」

映像作品なので番外扱いにしました。もう何年も前になるというのに、あの時の感激が甦ります。メセニーがインタビューで「CDとLIVEは全然違うので驚いただろう」と言ってるように、その違いを見いだすのにも便利でしょう。そういや数年前の LIVEで「CDと何処が違うんだ」など言ってた批評家がいたっけなぁ・・。



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