○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間 ○R&B ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系 ○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系) ○ユーロ系 ●JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系 ○ブルース系 ○ロック系 ○その他 昨年のモントルーでのパット・メセニーとの共演や、秋のケニー・バロンとの来日でのステージを聞いて、スローテンポの曲でのマイケルの演奏が、従来にも増して表現力が豊かになったように感じ、記憶に鮮明に残っていた。 そんな中で登場したマイケルのニュー・アルバムはタイトル通りのバラード集だった。従来のマイケルのイメージを持って聞いてしまうとハードな演奏は一切と言っていいほどなく、物足りないと感じる人もいるかもしれないが、ただの聞きやすいだけのバラードとは一線を画した聞き応えのある作品だ。 従来の速いパッセージでは聞きとることができなかったような、マイケルの息づかいのニュアンスまでが、作品の随所ではっきりと伝わってくるのがすばらしい。 パット・メセニーも、このアルバムでも共演しているチャーリー・ヘイドンとの「Beyond The Missouri Sky」で聞かせてくれたような叙情的な面を見せてくれている。アルバムの後半では、PMGのゲフィンへの最後の吹込みとなった「Quartet」からの曲を2曲聞くことができる。「Quartet」を聞いたときは地味な印象で、覚えていなかったのだが、改めて聞きなおしてみると2曲ともいい曲だ。 いつも目立ちたがりやのハービー・ハンコックも思いのほか抑えて演奏している。パットのギターと和声楽器が二つということも、あるのだろうが、音数もかなり控えめだ。 またマイケルのリーダーアルバムとしては、初めての歌物が入っていて、ジェームス・テイラーが、ヴォーカルで2曲に参加していて、暖かいいい味を出している。ヴォーカルとのマイケルの絡みは相変わらず最高だ。 静かな環境でじっくりと聞きたいアルバムです。
(橋 雅人)
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