Michael Brecker
Report from Tokyo Jazz 2002
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東京スタジアムという大きな会場での演奏について聞いてみた。 Michael Brecker (以下MB) ジャズをするには大きすぎるかな。1日目はちょっととまどったね。2日目は会場の音響にも慣れてうまくプレイすることができた。できたら2日目に1日目の曲目を演奏できたらよかったんだけどね。 (1日目はマイケルをメインでフィーチャーした曲が上述「Naima」を含め2曲あったが、2日目は大セッションバンドの中の一員としての演奏のみだった。) 大会場といえば、いままで演奏したことがある一番大きな会場はポール・サイモンのバンドでのニューヨークのセントラル・パークのコンサートで70万人も観客がいた。 (このコンサートにはスティーブ・ガッドや今は亡きリチャード・ティーも参加し「Live in Central Park」としてCDとビデオになっている。)
1日目の「Naima」の演奏はイントロ部分でうまく会場の残響を利用してプレイされてるように聞こえましたけど、意識してやっていたのですか?
2日目は久々にEWIを演奏されていましたが、どうでしたか?
実は僕も最初は「Directions in Music」をやるんだと思ってたんだ。でもちょっと事情があって今回の東京JAZZではトランペットはロイ・ハーグローヴじゃなくて、ニルス・ペッター・モルヴェルが前面にフィーチャーされることになったんで、「Directions in Music」ではなくなったんだ。おかげで、僕の演奏する場面は少なくなってしまったけどね。 でも「Directions in Music」 では来年の2月にやってくるよ。ブライアン・ブレイドの予定が合わなかったのでドラムは代りにロイ・ハーグローヴのバンドのドラマーが参加することになっている。
ハービーはいつもそんな感じで、あまり決め事をしないんだけど、それと正反対なのが、チック・コリアだ。一音一音全て綿密にアレンジが決められている。実はこの東京JAZZが終わったらすぐに(8月28日)にロスアンゼルスのハリウッドボウルでチック・コリアのバンドでアイアートやフローラ・プリムと一緒に「スペイン」を演奏することになっているんだけど、そのアレンジがかなり複雑で大変なんだ。 (マイケルはこの「スペイン」のことがかなり気にかかっていたのか、24日に会ったときも25日に会ったときも2日とも変態アレンジされたスペインのテーマを口ずさんでくれた。) 「スペイン」は今まで演奏したことはあるのですか?MB 何度かあるよ。実は70年代に何度かチックのバンドに加わってライブをしたことがあるんだ。ジョー・ファレルの代わりとしてね。 (ということは70年代にマイケル・ブレッカー参加でリターン・トゥ・フォーエヴァーはライブを何度かしていたということらしい。一度目の前で見てみたかったものだ。)
今回競演したウェイン・ショーターについてコメントをもらえますか?
(マイケルにも苦手なジャンルがあったとは意外な発言だったが、もちろん苦手と言っても非常に高度なレベルでの話で普通のミュージシャン以上のレベルで演奏できるのは間違いないだろうが。)
今回は8月22日に来日し26日には28日のハリウッドでのチック・コリアとの競演のためにとんぼ帰りで帰国というせわしない日程の中で、なおかつリハーサルの時間も短いというハンデのあるコンディションの中での演奏だったと思うが、そんな状況でも吹き始めの一音目から2万人近い聴衆をひきつける音を出していたのは、さすがだった。10月の富士通コンコードでは一部の地方公演でしかブレッカー・カルテットのみのプログラムが組まれていないため、たっぷりとマイケルの演奏が聞けるのは来年の2月の「Directions in Music」 の来日までお預けになってしまいそうだが、今回の「Naima」のソロ演奏はその予告編として十分に期待を持たせてくれるものだった。2月の来日公演が今から楽しみだ。(橋 雅人) |
過去のマイケル・ブレッカー関連の記事
Live Report
1996.10.05 Yoshi's, Oakland, CA
1998.9.28 Osaka Blue Note
2000.02.26 Osaka Blue Note
2000.07.20 Montreux Jazz Festival
2001.12.15 Tokyo Blue Note
CD Review
Direction in Music Live
Nearness Of You
Time Is Of The Essence
Two Blocks From The Edge
Special Thanks to 「東京JAZZ 2002」実行委員会 and Unofficial Michael Brecker Fan Club
Interview and photography by Masato Hashi
copyright 2002 by CyberFusion