2005 Best Albums
橋 雅人

1996年にスタートした当サイトも2005年で何と10年が経過したことになる。
この10年で、DVDの急速な発達、このサイトのベースでもあるインターネットの爆発的な普及に伴う音楽のオンライン化など音楽を取り巻く環境は大きく変化してきた。

ただこの10年はジャズ・フュージョンという音楽にとっては必ずしも恵まれた10年ではなかったようにも思うが、そんな環境の中でも毎年意欲的な作品を作り続けてくれるアーティスト達がいてくれるというのは嬉しい限りだ。

Wayne Shorter「Beyond the Sound Berrier」

恐ろしくテンションの高いライブ演奏で、完全にショーターの世界。ブレイド、パティトゥッチ、ペレスの演奏も素晴らしい。

TKY「TKY」

日本の若手プレイヤーによるスペシャル・セッション・バンド。
若手がこれだけの演奏をしてくれると未来も明るい。

Miles Davis「The Cellar Door Sessions 1970」

マイルスの箱モノの中でもベストの部類に入るだろう。
「What I Say」のファンキーなノリがカッコいいし、マイルスは絶好調だ。

上原ひろみ「Spiral」

早くも3枚目のアルバムだが、デビュー時の鮮烈な印象はそのままで、完成度を上げてきている。

Joachim Kuhn「Survivor」

1981年の録音で今までお蔵入りしていたのが、信じられないようないい演奏。病床に伏し当分は新録が期待できないブレッカーなので、これはファン必聴。

Philippe Seisse Trio「The Body And Soul Sessions」

有名曲をピアノ・トリオで演奏しているだけなのだが、それが小粋なサウンドになってしまうのがセスの魅力。
軽く聴き流してもよいし、聴きこんでも味が出てくる。

Herbie Hancock「Possibilities」

多彩なゲスト・ヴォーカリストを迎えた極上のポップ・アルバム。
いまどきの流行にのった作りなのだが、ハンコックという人ポップスをやらせても素晴らしいセンスを持っている。
改めてハンコックのオールラウンドぶりに驚かされる。

Bill Evans「Soulgrass」

カントリーを取り入れて斬新なフュージョン・サウンドを聴かせてくれる意欲作。 1曲目のカリウタ、ウッテンの絡みがカッコよすぎ。

Joshua Redman Elastic Band「Momentum」

今までのジョシュア・レッドマンの作品の中でも一番フュージョン色(というかジャム色と言うべきかな?)の強いアルバム。ジェフ・バラードの繰り出すリズムが気持ちよい。

Marcus Miller「Silver Rain 」

ちょっとマンネリ化しつつある典型的とも言えるマーカス・サウンドなのだが、ノリのよさ、ベースの気持ちよさは相変わらず最高。


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