Bill Evans「Soulgrass」ビクターエンターテインメント(VICJ61290) 2005 - Japan  
Bill Evans(sax), Bela Flack(banjo), Victor Wooten(bass), Vinnie Calaiuta(drums), Stuart Duncan(fiddle), Clifford Carter(kb), David Charles(perc), Sam Bush(mandolin), Mark Egan(bass), Pat Bergeson(a.guitar, harp), Jerry Douglas(dobro), Bruce Hornsby(piano), Anton Leos(banjo), David Kikoski(piano)

  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ●カントリー系

サックス奏者、ビル・エヴァンスの新譜は、いきなり1曲目のイントロからバンジョーとフィドルの音色に驚かされる。

このアルバムはバカテクのバンジョー奏者ベラ・フレックを3曲でフィーチャーする他、ほとんどの曲でバンジョー、マンドリン、ドブロ、フィドルなどカントリー系の楽器をフィーチャーし、レコーディングもカントリーの本場ナッシュヴィルで行われており、 そのサウンドはカントリー、ブルーグラスとジャズ・フュージョンを混ぜ合わせたまさにフュージョンといえるような作品になっている。
もっともカントリー、ブルーグラス系といっても、のんびりとした雰囲気ではなく、切れ味の鋭い演奏で、バックを固めるベラ・フレックやヴィクター・ウッテン、ヴィニー・カリウタらの高度なプレイが堪能できる。

一方ビル・エヴァンス自身のサックスのサウンドは従来からのNY系硬派のスタイルから変わっていない。
そのサウンドでテンションの高いカントリー・フュージョンをバックに吹きまくることによって、そのコントラストが何ともユニークな世界を作っている。

またテンションの高さという意味では1曲目に聞けるウッテンとカリウタ2人のリズム隊ソロとも言えるパートがかなり強烈で、一聴の価値ありだ。

最後に収録されているビル・エヴァンスも参加していた時代のマイルス・デイビスの「Jean Pierre」をカントリー系のアレンジにしてしまっているのもユニークだ。

最初はカントリー系楽器の音色にちょっと抵抗を感じてしまうのだが、聴いているうちにその世界に引き込まれてしまうような作品だ。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay