アスワンさんとは対照的なコメントになりますが、2002年は結構粒ぞろいの作品が多かったなという印象のある1年でした。大物ベテラン勢のリリースがかなり多く、どれも期待に応えてくれる内容だったと思います。 また前年あたりから見られたアーティストによるウェブでのCDの直販の傾向は2002年に入ってもSteps AheadやMercus Miller(アメリカではウェブでの直販のみ)などの大物級のアルバムでも引き続き見られ、今後の流れになっていくのではと思います。 ジミヘンの曲をワールドな感性で料理するとこうなります。これぞ新世代のクロス・ジャンル・ミュージック!テリリンもいい味だしてます。 亡くなったボブ・バーグに敬意を表して。久々のSteps Aheadの新録アルバムでもありました。 Mile Davis「The Complete Miles Davis At Montreux 1973-1991」 20枚組というへヴィー級のボックスセットでありながら、ボックスにありがちなテンションの低いアウトテイクなどなくて、全てがレベルの高い演奏です。80年代マイルスを再評価させてくれるボックスです。(こちらもボブ・バーグたっぷり聴けます。) ギターの音色も切れ味のいいリズムもひたすら心地よいアルバムです。 これぞ正統派パワー・フュージョンというアルバム。とにかく理屈抜きに痛快です。ブレッカーも大爆発!選んだ中で順位をつけるとするとこれが1番にきます。 フランフォードやブレッカーのバックでは正統派4ビート・ドラマーという印象でしたが、自分のアルバムでは意外に多才な面を聴かせてくれました。 2002年にでたWeather Reportのライブ盤は、ウェザーはザヴィヌルのバンドだったことを再認識させてくれましたが、こちらの最新リーダー・アルバムでも70歳にして多彩なサウンドを聞かせてくれています。歳をとっても前向きな姿勢は敬服します。 Herbie Hancock, Michael Brecker, Roy Hargrove「Directions in Music」 マイケル・ブレッカーのソロ・パーフォーマンス「Naima」に尽きます。この1曲だけの演奏で価値のあるアルバムです。他の冗長な演奏はいりません、とまで言うと言いすぎかな。 ジャズ・フュージョンというにはあまりにもワールド・ミュージックなアルバムなのですが、アジア系ヴォーカルを中心にジャズ、ロック、アフリカ、中近東、ヨーロッパなどの要素をごちゃまぜにした感性は何とも言えません。リチャード・ボナとのデュエットでは未知の世界に連れて行ってくれます。 PAT METHENY GROUP「SPEAKING OF NOW」
レベルの高い作品をだしてくれて当たり前という期待にも、しっかり答えてくれています。緻密なアレンジと即興性のバランスが見事にとれた作品です。
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