●骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間 ○R&B ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系 ○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系) ○ユーロ系 ●JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系 ○ブルース系 ○ロック系 ○その他 ステップス・アヘッドの新録ものとしては94年の「Vibe」以来、実に8年ぶりの新譜がリリースされた。内容は当サイトでの99年のマイニエリへのインタビューの中でも触れられていたように99年のヨーロッパ・ツアーのライブ2枚組となっている。 サウンドは完全なアコースティック・ジャズ路線でステップス・アヘッドというよりも初期のステップス時代の音に近い。ただガッドのシャッフル系4ビートだった「Smokin' In The Pit」やアースキンが叩いていたころのちょっとシャープなのりの「Step By Step」や「Paradox」のころと比べると今回のアースキン、マーク・ジョンソンのリズム隊はよりオーソドックスで円熟したノリに聞こえる。また昔のSTEPS AHEAD在籍中のころはデビューしたてであまり目立たなかったイリアーヌが、このアルバムでは存在感があって、自分の曲も2曲提供しており、彼女の個性が見える部分がバンドとしては新しいカラーになっているように思う。 昔のレパートリーでは今は亡きドン・グローニックの「Pools」と「Uncle Bob」、そして「Soul Eyes」が演奏されていて、これらの曲とマイニエリの新曲ではやっぱりSTEPSという独特のコンテンポラリーな感覚のアコースティック・ジャズの演奏を聞かせてくれていて、ファンには嬉しいかぎりだ。
今回はボブ・バーグ、マーク・ジョンソンというステップス・アヘッドとしては2人の新メンバーが加わっていることになるが、今までも別のユニットでは何度も一緒にプレイしてきているメンバーで全く違和感なく溶け込んでいる。ボブ・バーグには失礼な言い方になるが、ブレッカーの代役をしっかりこなしていて、随所で熱いプレイを聞かせてくれている。 またステップス・アヘッドがもっともエレクトリックだったころのアルバム「Magnetic」でも演奏されていたデューク・エリントンの「In A Sentimental Mood」も演奏されているが、「Magnetic」ヴァージョンではマイケル・ブレッカーのEWIをフィーチャーした電化版だったのに対して、このアルバムでは完全アコースティック版となっていて、マイニエリのヴァイブのソロから始まり、ボブ・バーグのテナーでテーマが演奏されている。 若干、気になったのは音質で、全体にシンパルなどの高域が少し濁っているようで粗く聴こえる。これは上述のインタビューでマイニエリが言っていたMDがマスターに使われているためかと思われる。 発売元のNYCRecordsの代表でもあるマイク・マイニエリによるとこのアルバムは今のところNYC Recordsのサイトでしか販売する予定はないとのこと。
(橋 雅人)
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