Pat Metheny(g) Lyle Mays(pf,key) Steve Rodby(b) Richard Bona(vo,per) Cuong Vu(tp,vo) Antonio Sanchez(drs)
「常に新しいサウンドを提供してくれる、音楽の革新者」 こういう見方をしてしまうと、新しいアルバムの聴き方は厳しくなり、前作の延長線のサウンドがあったりすると、がっくりきてしまいます。反対に「Imaginary Day」のような斬新なアルバムだと狂気乱舞してしまいます。 音楽の聴き方は人それぞれ、「耳が違えば聴こえ方が違う」ので、今回の作品についての感想は人それぞれです。 メセニーはフェイバリットミュージシャンの一人なんですが、熱狂的なファンと呼べないので、今回のアルバムは冷静に聴くことができました。 一曲目の「As it is」は、当サイトのダウンロードコーナーを紹介しておりましたので、もう何度も聴いておりました。生ギターでリリカルで哀愁のあるメロディを奏で笛の音色のような牧歌的なシンセ、そしてボイスが被さり、大仰な曲構成,,,,,,これはどこをとってもメセニーサウンドの典型的なパターンです。メセニーファンであれば涙物のサウンドでしょう。 二曲目は、エレクトリックギターでスリリングなイメージの曲。これも従来型のタイプ。トランペットのCuong Vuのトランペットのソロを大きくフューチャー。 リチャード・ボナはまず三曲目で前面に出て来ます。最初聴いた時は賛美歌のような出だしのボーカル。それに続くのがガッドギターの静かな音色。 四曲目はピアノとベースのユニソンからギターが登場し、バックのシンセの音はライルメイズらしいサウンド。メルヘンチックな感じをかもし出してます。 次でボナが再登場。ボーカル(ボイス)を中心とした静かな曲。ボナのソロアルバムのイメージ/サウンドを感じさせます。 六曲目は、ボナのボイスが効果的に使われた、いかにもPMGらしい曲作り。 七曲目はスティール弦での生ギターからライルの笛のようなシンセとボイスへと続く、これもPMGのイメージの曲。 八曲目でリラックスした雰囲気のギターからボナのボーカルが入ったポップな感じの曲。 最後は、エレクトリックギターでしっとりと曲を奏でます。 全体的な印象は、透明感のあるサウンドでいかにもメセニーサウンドというものばかりで、「Imaginary Day」のような衝撃的なサウンドは影を潜めているように思えます。おとなしめの印象というんでしょうか、、私自身のメセニーの聴き方からすると、ちょっと物足りないかなぁ〜という後味でした。個人的な意見なんですが、衝撃的なサウンドの次のアルバムは、前作の印象が強過ぎていつも地味な印象を受けているので、今回もそのパターンなんだなぁという印象ですねぇ。 リチャード・ボナの起用方はボナのソロアルバムで聞かれるようなサウンドとアズナール時代からのボイスの使い方と二つのパターンを併用したような起用方法です。 音楽の聴き方、感じ方は人それぞれに違いますので、この作品をじっくり聴くと私自身の印象はまた違ったものになるかもしれません。 ただ、ボナの起用方法については、メセニーなら従来型のボイスの使い方やボナのソロアルバムのようなサウンドとは違った、想像をはるかに超えたびっくりするような使い方で度肝も抜くようなサウンドに仕上げてくるのではないかと期待していましたが、その部分が想像の範囲内なので、そこのところが肩すかしをくらってしまったのかもしれませんねぇ。 PMGにしては平均的な作品の出来というのが印象です。 ☆アフリカンサウンドになるのではないかと想像してましたが、大きく外れました(^
^;)(アスワン)
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