2004 Best Albums
橋 雅人

2004年の音楽状況を振りかえってみるとI-Podの爆発的流行、Copy Control CDの終焉が象徴的なできごとだったのではないでしょうか。
ジャズ・フュージョンとは直接関係ありませんが、1アイドル歌手のウェブ上の発言がきっかけで日本レコード協会の会長の辞任につながったというのも日本の音楽産業の脆弱さを象徴しているような出来事に感じました。
。このような音楽産業の変化が大量生産型の音楽ではなく、より多様な音楽がリスナーにとって手軽に聞けるような形に推移していけばいいなと望んでいます。
以下に選んだアルバムは特に意識したわけではありませんが、過半数がインディーズ系のレーベルからリリースされています。

Michael Brecker, Joe Lovano, Dave Liebman「Saxophone Summit:Gathering of Spirits」

3人のサックス奏者がフリーフォーマットで吹きまくる様は決して耳に優しい音ではないのですが、壮絶です。

John McLaughlin「Montreux Concerts」

マクラフリンのモントルー・ジャズ・フェスへの出演を全て収めたマニアックな内容の17枚組ボックスセット。リリースされたこと自体が驚き。

Greg Mathieson「West Coast Groove」

正統派西海岸フュージョン健在といった音が聞けるのが嬉しい1枚です。ほとんど自主制作版のような形なので入手し難いのが難点。

Jaco Pastorius Big Band「Donna Lee Live at Budokan'82」

20年以上たってリリースされたNHKの放送音源。NHKには他にも歴史的価値のある音源が眠っているはずですので、今後のリリースにも期待したいです。

Lee Ritenour「Overtime アンソロジー・ライブ」

リトナーの歴史を辿るような映像作品。なかなか盛りだくさんに楽しめます。

Don Grusin「The Hang」

上記のリトナーのライブと姉妹作といってもいいような作品。オールスター・メンバーでのライブが楽しい雰囲気です。

音川英二「存在〜New&Old Wonder」

存在感のある音色での力強いブローが魅力的です。1年以上前の作品ですが、素晴らしい作品だったのであえて2004年のベストに加えました。

NANIWA EXP「THIS is IT!」

復活2作目のヘヴィー・メタル・ジャズ・ロック・サウンドが炸裂しています。

上原ひろみ「Brain」

1枚目で爆発的ブレイクをした上原だが、2枚目でも売れ筋に走らずコアな路線を守っているのは好感が持てます。

Two Haze(水野正敏/辻邦博)「Too」

ストリングス、パーカッションを加えた4人編成のサウンドがなかなか斬新です。



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