2006年のレコード界の最も大きなトピックスは日本ではそれほど大きな話題にはなっていないように思うが、米国タワーレコードの廃業決定ではないだろうか。
(日本のタワーレコードは別法人になっており、米国の廃業とは無関係)
アメリカの大都市ではヴァージンなどの大型店舗に行っても閑散としていて大丈夫なのかと心配になる。
売れ筋は安売り量販に奪われ、マニアックな層はアマゾンやi-Tuneに流れるという現象なのだろうが、ジャズ・フュージョンという分野のCDリリースを支えてきたのは間違いなくタワーなどの大型専門店であっただけに、アメリカ本国での大きな地盤変化は昨今のジャズ・フュージョン系のリリースの少なさとも無関係ではないように思う。
Pat Metheny Brad Mehldau「Metheny Mehldau」
出るべくして出たという感のあるデュオ作。
このアルバムのカルテットがいいなあと思っていたら早速リリースされるのも嬉しい。
Billy Cobham「Drum'n'Voice 2 」
いまどき珍しいくらいのストレートなフュージョンぶりが嬉しい作品。
George Benson & Al Jarreau「Givin' It Up」
「Breezin'」ヴォーカル・ヴァージョンに「Mornin'」のデュエットだけでやられました。
期待を裏切らない豪華競演作。
John Mclaughlin「Industrial Zen」
エレクトリック・マクラフリンの本領発揮。こういうのをガンガン出して欲しいという作りのアルバム。
Grant Green「Live At Club Mozambique」
凄いファンクぶりです。
1971年録音の未発表音源ながら、だまって聴かされたら今時のクラブ系のジャム・バンドと思ってしまうかも。
Trio Beyond : Dejohnette/Goldings/Scofield「Saudades」
どこが「サウダージ」なのかわからないハードなインプロビゼーションの世界。
ディジョネットのドラムが痛快です。
David Benoit「Full Circle」
スムース系と一言で括ってしまうのは失礼なのだろうが、所謂スムース系では2006年のベストだと思う。生演奏主体にしっかりと演奏されている作品。
小沼ようすけ「3,2 & 1」
アコースティックな小編成を中心として小沼のギターがたっぷり堪能できる。
日本のジャズ・フュージョン・シーンには珍しい「味」が出せるギタリストになってきたと思う。
Mike Stern「The Paris Concert」
リチャード・ボナ、デニス・チェンバースの現在最高のリズム・セクションと言っていいバンドをバックにマイク・スターンが思う存分弾きまくっています。
熱いライブが好きな人は必見。
Chris Potter「Underground」
マイケル・ブレッカー亡き今、今後のサックス・シーンを引っ張っていって欲しいという期待を込めて。
ちょっとアヴァンギャルドで、エレクトリックなサウンドが魅力のアルバムです。
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