Pat Metheny & Brad Mehldau「Metheny Mehldau」Nonsuch (79964-2) 2006 - U.S.A.  
Pat Metheny(guitar), Brad Mehldau(piano), Larry Grenadier(bass), Jeff Ballard(drums)
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ●骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ●JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

ジャズ・フュージョン・ギター界のトップに君臨し続けるパット・メセニーと、若手注目度、実力No.1と言ってよいだろうピアニスト、ブラッド・メルドウの競演盤。

10曲中8曲までが2人のデュオで、残りの2曲がL.グレナディア、J.バラードを加えたカルテット編成での演奏になっている。
メセニーはより大編成でエレクトリック色の強いPat Metheny Groupでのキーボード奏者ライル・メイズと演奏している以外はギタートリオ、デュオ、ソロでの演奏がほとんどで、意外なほど他のピアニストとの競演が少ない。
ギター1本で自分の世界を作ってしまうパットと、独特のヴォイシングでジャズ・ピアノの新境地を切り開くメルドウのぶつかり合いが注目のアルバムだ。

アルバムを通して聴くとメセニー色が強く感じられる部分、メルドウ色が強い部分、そして2人の個性がぶつかり合い、溶け合っている部分とそれぞれの曲、そしてその中の部分、部分によってバランスがシフトしていっているのが、興味深い。
正直なところメセニー色が強くでていて、それにメルドウが合わしているように聴こえる部分は、従来のメセニー・サウンドの延長で目新しさは感じられない。
一方、メルドウ色が強い部分、2人の色が均等にでている部分は、緊張感が高く、今までにないサウンドが生み出されているように感じられる。聴いているとつい2人だけで演奏しているという事実を忘れてしまうような濃密な音だ。
また2曲だけだが、グラナディア、バラードが加わっている曲では、最近のメルドウのトリオで聴かれるようなプッシュ感の強いリズムの上でのメセニー、メルドウの絡みは聴き応えがある。

全10曲聴き応えたっぷりのアルバムで、是非もう1枚アルバムを作って欲しいと思えるプロジェクトだ。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay