2006 Best Albums
セリエJ

2007年おめでとうございます。昨年は社会全般、なんだか気が重くなるような出来事が多かったですね。この国は一体、どうなってしまうのだろう、と思うのと同時に、フュージョンは一体どうなってしまうのだろうという思いが交錯するような一年でした。とりわけ国内の動きがかなり寂しかったですね。旧作は出るが、新作は…?という感じや、一過性のヒーリング風音楽がやけに幅をきかせたり、ロックへ行ってしまったり、あげくは活動休止…と。その中でも印象に残った作品を以下に挙げてみます。今年は何かいいことがある年となるよう、切に祈っています。

Lee Ritenour「Smoke 'n' Mirrors」

 オリジナル作としては久々のフュージョンらしい作品です。長きに渡るジャズ路線からの脱却でしょうか?「Overtime」でのプロジェクトが良い方向に作用したようですね。かつての「in Rio」やAOR系「Rit」など名盤のコンセプトを今回、現代的に解釈した作品に思います。2006年最も印象に残った一枚です。

Pyramid「TELEPATH 以心伝心」

 このところ迷走気味の国内フュージョンの中では健闘しているユニットだと思います。3人が3人ともスーパー・プレーヤーなのですが気負った部分は全く無く、淡々と大人のプレーを聴かせてくれます。そう、この「大人のフュージョン」が国内では稀な存在なのです。

Boney James「Shine」

コンコード移籍第一作ですが、基本的には前作同様の路線です。彼にはテナーの太い音が似合いますね。最近の傾向としてヴォーカル曲が多いことに特徴があると思います。またゲストも多彩で、特にジョージ・ベンソンを迎えた曲は聴きモノです。

Bobby Lyle「Hands On」

 正統派?スムース系アルバムとして面白い一枚です。内容はちょっとグレッグ・カルーカスを思わせるような上品で甘い作りで、キャッチーな曲も多く含んでおり車の中で聴いたりするのには最適です。

Spyro Gyra「Wrapped In A Dream」

 毎年ちゃんと作品を発表する姿勢は本当に見上げたモノだと思います。今回はカバー写真のようにダンサブルな曲やファンクっぽい曲、ジャズ風の曲などバラエティに富んでいますが2曲ほどチャック・ローブが曲作りに参加しており、スムース系のカラーも感じさせます。

小沼ようすけ「3,2 & 1」

 とにかく最初の1曲目がアコースティック・ギターによるすごくピュアなサウンドで気に入りました。アルバム全体を通しミニマムなメンバー構成によって逆に高い緊張感を保ったプレイになっていると思います。彼は今や押しも押されもしないトップ・ギターリストですね。




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