鳥山雄司、神保彰、和泉宏隆による強力ユニット「ピラミッド」のセカンド・アルバム。オリジナルが7曲(鳥山3 和泉2、神保2)、カバー5曲という構成だ。ベースは前回と同じく、鳥山が絶妙な存在感のウッドベースをプログラミングしている。
全体にミディアムテンポで、メロディアス、ほどよくダンサブル。ジュリア・フォーダムの「Happy Ever After」、ジョー・サンプルの「Street Life」をケニヤ・ハザウェイに歌わせるなど、基本はスムース路線をとっている。しかしあちこちで「おっ」と聴き手を驚かせる新鮮な試みがされており、この点でファースト・アルバムよりも躍動感が出てきたように感じた。
たとえば和泉の「トルネード」はいきなりシタールでエスニックな雰囲気を出したかと思えば、続けて長尺ユニゾンでパンチをきかせてから、ピアノが印象的なリフを刻みはじめ、ギターがディストーションのかかった音色でメロディを歌い始める。イントロのパンチ加減とメロディの美しさ、ゆったりした流れ。これがピラミッドならではの音作りなのだと思う。鳥山の「ブレスレス・ナイト」や神保の「フラミンゴ」ではゆったりとしたメロディの背景に細かくて刺激的な音がうごめき、不思議なムードが漂う。
カヴァー曲については、違和感がなくて、とても心地よく聴ける。「ウェストチェスター・レディ」をはじめとして、ロマンティックで少々ねばっこい和泉のエレピ、鳥山のさわやかで力強いエレキギター、タイトながら温かい神保のドラム、さらに鳥山の打ち込んだベースラインとオケ、すべてが見事に調和している。
「TELEPATH」というタイトルから察するに、3人がめざしている方向は完全に同じではないけれどきっちり重なる部分があって、音を出しながらお互いその部分を確認しあっているのではないだろうか。(山本美芽)
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Slow |
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Cool |
Melodious |
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Out of melody/code |
Conservative |
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Progressive/Tricky |
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Interplay |
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