2005 Best Albums
アスワン

総括

毎年、「厳しい年でしたと」言ってましたが、今年は更に厳しいです。
年初は好調でしたが、今年の後半になるにつれ、Fusionは消えてしまったのかと思う程、新譜が出ません。
新人はおろか、ベテラン勢のリリースは数少ない。一人元気だったスムース系も一時の隆盛がなくなりました。
Fusionというジャンルは、そろそろ終わりなんでしょうか?そう思ってしまうほどの一年でした。
輸入盤禁止の法律も痛かったですね。購入意欲を削がれてしまうような出来事でした。

音楽業界も相当苦しい年だったと思います。理由は幾つかあるでしょう。
・若者が携帯にお金がかかりすぎてCDまで手が回らない
・無料でMP3などを入手できる交換ソフトを使ったP2Pネットワークの流行

このような状況に相反して、CDの再リリースの分野だけは今年は活発でした。
CDの製作代が格段に安く上がるからでしょう。
アナログは持っているがCDは買い損ねたというパターンもあるので再CD化は嬉しいんですが、そればかりでは新人も出ないし、だんだんこのマーケットが縮小していきます。
10年後のFusionを支える新人はいつ出るのか、、、、、、、

と、、愚痴をこぼしてもしょうがないのですが、2006年は心から飛躍の年であって欲しいです。
新人がドンドン出る状況になって欲しいです。
尚、ベストアルバムは再CD化作品を敢えて外しました。

五十嵐はるみ「The Swing Show」

どうも彼女の作本は好きなんで選んでしまいますね。
純粋なFusionではなく、ポップなジャズ又はジャズっぽいポップスの分類に入るんでしょうねぇ。
このポップさは無条件に楽しいし、また選曲の良さとアレンジの良さは毎回感心します。


Morten Schantz「Segment」

これは2005年のリリースではなく2004年の作品です。
北欧系のミュージシャンで、ダンス系やブレッカーブラザース風のサウンドとバリエーションあり、次回作も是非聴いてみたいと期待を抱かせるサウンドでした。
今度はどのサウンドで出してくれるのでしょうか。ブレッカー系のNYサウンドだったら嬉しいです。

Wolfgang Haffner「Zooming」

チャック・ローブ(g)、ミッチェル・フォアマン(key)とユニットを組んでいたMetroでドラムをやっていた人のソロです。
それまでのソロはスムース系でしたが、この作品でメセニーのような幻想的なサウンドや骨太いストレートなサウンドなどに路線を変更しました。
またMetro名義の作品を出して欲しいですね。


Pat Metheny Group「The Way Up」

大御所の登場で今年一番の話題はこのアルバムでしょう。
他の人の投票結果は分かりませんが、多分このアルバムがベストアルバムに選ばれるでしょう。


Nelson Rangell「My American Songbook vol.1」

意外なサウンドでしたねぇ。
てっきりスムース系の甘いサウンドのオンパレードかと思ってましたが、GRPの初期を思い出されるような透明感あるサウンド。
早くVOL.2を聴きたいと思いました。


プリズム「三位一体」

大ベテランのトリオによるライブです。
今年はこのバンドのスタジオ盤の新譜がでませんでしたが、このアルバムで楽しませてもらいました。
「白熱したライブ」って使い古された言葉ですが、この作品に相応しい言葉です。
ライブハウスで味わった緊迫感が伝わってきます。


TKY「TKY」

若手が集まった新ユニットです。
このユニットの誕生は邦楽Fusionではトップクラスの明るい話題ではなかったでしょうか?
ガッツあるプレイは緊張感あるスリリングなものです。


渡辺香津美 New Electric Trio「Mo'Bop DVD Edition」

演奏しているボナをたっぷり堪能できます。(ボナのソロDVDは演奏はちょこっとだけのインタビュー物です)
香津美は、テク云々というよりギターの表現力が一層磨きが掛かりました。
このステージを生で観たかったとつくづく思いました。


Ponta Box「New Ponta Box」

メンバーチェンジした新しいPontaBoxです。
ハンコックとスティービーワンダのカヴァーが多い作品ですが、PontaBoxとしての色がよく出ています。
これからも頑張って欲しいバンドの一つです。


Nervio「Nude Energy」

邦楽Jazz/Fusionを担ってくれると信じているNervioのメンバーチェンジ後の第一作。
今までのサウンドに重量感が増しました。


南部昌江「Nanboo!」

いかにも邦楽Fusionらしいサウンドです。
80年代初期の王道サウンドといってもいいでしょう。


上原ひろみ「Spiral」

Fusionサウンドというより、ジャズ&プログレロック風ジャズと言ったら良いでしょうか。
サウンドだけ聴くとパワー溢れる男性が弾いているような錯覚を起こさせるほど、力強いパワープレイ。
今、注目度トップクラスのミュージシャンです。


Jeff Berlin「Ace of Bass

年末に嬉しい作品でした。Fusionの作品が出ないのでお店行っても空振りばかりでしたので、骨太いストレートなサウンドのこの作品の音を聴いて「ホッ」としました。
神業に近いベースプレイをたっぷり楽しむことが出来ます。



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