Pat Metheny Group「The Way Up」Nonsuch(79876-2)2005 - U.S.A.   
              

Pat Metheny(g,synth),LyleMays(p,key),Steve Rodby(b),Cuong Vu(tp,voice),
Gregoire Maret(harmonica),Antonio Sanchez(ds),Richard Bona(perc,voice),
Dave Samuels(perc)

○骨太いストレート系 ●明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B ○ブラック系   ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ○JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系   ○ECM系

PMGのサウンドの変遷は多くのミュージシャンに影響を与えました。

当然、リスナーもサウンドの変遷によりメセニーに期待する点がイロイロありますね。

・初期の頃の牧歌的な雰囲気。
・アズナールが参加してより幻想的な雰囲気。
・オルタ風ブラジルの香り。
・無国籍風サウンドの雰囲気。
・そしてこういう新しいサウンドを産み続ける姿勢。
・メセニーならなんでもいいやぁという人

私はこの中で一番期待するのは新しいサウンドを産み続ける彼らのアイディアに一番魅力を感じメセニーを聴いてきました。

今回の新作のサウンドは、「ImaginaryDay」で方向転換したサウンドを継承した発展系というべきサウンドでしょう。
4曲構成で、曲名が「Opening」「PART ONE」「PART TWO」「PART THREE」というもの。 クラッシックを連想させるような交響曲というべき構成です。
1曲の作りもクラシックのように複雑な構成をしており、ただ単にソロが長いだけではなくアンサンブルもしっかり統制されております。
これは初期のサンロレンツォのような壮大な曲の作りを思い浮かばせます。
メセニーのギター、メイズのピアノとシンセサイザーに加え、トランペットやハーモニカを全面に押し出した楽器の編成。ここ何作かの手法ですね。
リチャード・ボナのボイスも曲の一部のパートとして登場しています。
ギターもJAZZギター風、アコースティック、シンセギターと変幻自在です。

ある意味、ここ何作かのサウンドの集大成というべきサウンドかもしれませんね。
壮大な交響曲だけに聴けば聴く度に新たな発見というものがあります。
私が期待する「新しいサウンドを産み続ける彼らのアイディア」という点では前作を凌ぐ出来だと思います。

今日のところは大雑把なサウンドの紹介というところで止めておきましょう。
聞き込めば感想も変わってくると思います。

2,3回通して聴いただけでは全てを消化できない大作だけに、しばらくこのアルバムで楽しめそうです。

☆脳味噌錯乱級!!買いっ!!(アスワン)


パット・メセニーの新作は非常に意欲作である。
まず、たった4曲しかないのに68分10秒入っている・・・つまり1曲が長いのだ。
まるでイエス「海洋地形学の物語」を思い起こすような陣容だ。
J-Waveではメセニーの音楽はよくかかるが、これだけ曲が長いと本作からはかからないかもしれない。
普通はラジオOn Airを考えるものだが、それを無視するほど想像力に満ちている。
そしてそれを許すノンサッチ・レーベルの自由さが本作につながっているのであろう。

音楽は当然聴き応えアリで、いつまでも続いて欲しいメセニー・サウンドが充満する。
曲名はOpening〜Part One〜Part Two〜Part Threeとそっけないものだが、1曲の中にどんどん場面が変わるので、あえて曲名をつけなかったのかな。

そして聴いていると、ところどころで聞き覚えのあるフレーズが出てきたりする。
それは「Map Of The World」や「Quartet」であったり、もしかして「Secret Story」でもこんなフレーズが?と思わせるような。それ以外からも色々と見つけることができる。
聴いている内に「デジャブ(白昼夢)」の中にいるような、そんな気持ちになるサウンドである。

そして顕著なのがスティーブ・ライヒ「エレクトリック・カウンターポイント」の手法だ。
奇しくもメセニーはその曲を、このノンサッチにおいて吹き込みを行っている。
だからだろうがライヒで弾いたフレーズを多用するのは、このレーベルだからというのも無関係ではないと思う。

また、ライル・メイズのソロもあまりに美しい。それは曲の一部で登場するのだが、ここまで美しいピアノを弾いたのは「Quartet」以来ではないだろうか。

ただ、1曲が長いのが両刃の刃になるかもしれないのだが、どこを切ってもPMGサウンドなのでメセニー・ファンであれば乗り切れるような気がする。
多分、もっと聞き込めば聞き込んでいく内に、更に面白い発見があるかもしれない。
それだけ内容の充実した、奥行きのある作品だと思う。

# レーベルが変わって第一弾だけに、相当入魂の作品になったのでしょうか。(TKO)
 
 

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out_of_melody/code
Conservative                     Progresseve/Tricky
Ensemble                     Interplay