2005年は、いよいよ日本でもiTunes Music Storeがスタートして「音楽のネット配信元年」というところだったでしょうか。まだ既存の曲については難しいことも多いみたいで、各社の足並みもなかなか揃わないみたいですけど、今後は「ネット配信ならでは」のジャンルも出てくるのだろうな、と思ってます。そういう意味ではジャズ・フュージョン系は量で攻める分野ではないので、ネットを活用していろいろと発展させられる余地があるんだと思います。
ベストアルバムについては、The Way Upは画期的な一枚・ダントツの一枚だったと思います。その他のアルバムも、例年以上に様々なスタイルにチャレンジしているような気がして、聴き手としてはとても楽しい一年でした!
Pat Metheny Group「The Way Up」
Pat Methenyは、浮かんだアイディアやメロディを、ピアノやギターやコンピュータを使っていろいろな角度から徹底的に練り上げるんだそうですが、まさしくそうやって何日もかけて練り上げた一枚なのでしょう。
どこにも隙が無い約70分です。何度聴いても新しい発見があります。
Cuong Vu「残像」
パット・メセニー・グループのトランペッターCuong Vuのアヴァンギャルドなアルバム。いやぁ、カッコいいですわ。Bill Frisellとの相性がこれまた抜群!
Scott Henderson「Live!」
トリオ構成でのライブアルバム。ロック系の男っぽいギターサウンド全開! 様々なスタイルで変幻自在のソロを聴かせてくれます。それにしても、あらためてギターというものの表現力に驚かされます。実に巧い!
Larry Carlton「Firewire」
原点に立ち返ってあらためて自分らしさを追求したアルバムだそうです。
最初はなかなか馴染めなかったのですが、聴くうちに「なるほどこれがカールトンなんだよな〜」としみじみ感じています。
John Scofield「That's What I Say」
企画としてはレイ・チャールズへのトリビュートアルバムという形。ソウルフルな曲が続く中で、さまざまな形でジョンスコ節が楽しめてサイコー!
ピラミッド「ピラミッド」
これぞニッポンのフュージョン・サウンド! という感じでしょうか。
メロディアスなテーマとその後ろのアレンジ・センスの良さが光ります。
ギターの音色もメチャメチャ気持ち良い。ツボにはまりました。
3x3「2857」
こちらは、これぞニッポンのジャズ! というところ? 曲にしても演奏にしても、相変わらずのアイディアの豊富さにはホントに頭が下がります。
Incognito「11」
昔から歌もの中心だけれど、アレンジの楽しさや、演奏の巧さ、バンドの活き活きとした雰囲気などは、これこそフュージョンなのかもしれません。今回も安定した楽しい曲のオンパレードでした。
Harbie Hancock「Possibilities」
最初数回聴いたところでは「豪華なゲストが参加しているポップなアルバム」とだけ頭にインプットされていたのだけど、聴くにつれジワジワとその良さが感じられるようになりました。聴きやすくてもただの軽い演奏に終わらないところがさすがですねぇ。
Richard Bona「Tiki」
歌もの中心のポップでハッピーなアルバムです。ポップでありながらも、いやぁ、巧いベースですねぇ。もっとベース・ソロ等も聴きたいところですが、アルバムとしては良いバランスなのでしょうかね。
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