2002 Best Albums
久保智之

2002年のフュージョン界の全体の動きは皆さんが説明されると思いますので、私はまた別の視点でフュージョンとインターネットについて思いついたことを。

2002年のあたまくらいから、私はだんだんとCDショップに行かなくなってしまい、オンラインで買い物を済ますことが多くなってます。特にCyberFusionでもおなじみのAmazonは、CDなら一枚から送料が無料なので私もよく使いますが、AmazonのWebサイトが「このCDもいかがですか?」と薦めてくるCDがけっこう鋭いところをついてくるのが面白いです。

おそらく「Aというアルバムを買った人はBも買っている」という統計を集めて表示してくるのだと思いますが、CDショップの棚の配置のように売り手が想像で作り上げたジャンル分けではなくて、買い手によって無意識のうちに分類されてきたジャンル分けに従うので、リアルで説得力のある分類となるのでしょう。

今後こういった分類が進んでくると、フュージョンという定義が難しいジャンルの音楽を好むものにとって、聴きたいものが手に入りやすくなる良い時代になってくるんではないでしょうか。フュージョンとインターネットは今後もどんどん相性のいい組み合わせになっていくのでしょうね。

Pat Metheny Group「Speaking Of Now」

「楽曲」「演奏」「バンドとしてのまとまり」…すべてがパーフェクト! 個人的にはPMGのアルバム中ベストかもしれない。メンバーの大幅な変更があったにもかかわらず、いきなりこの完成度の高さとは本当に凄い! この勢いのまま、今年もどんどんアルバムを創っていって欲しいですね。

Bluecat「Chill Reception」

個人的に昨年一番ハマッたアルバムです。ベネトンなどで活躍しているイタリアのマルチプレイヤーWilliam Bottinのアルバム。funk,breakbeat, jazz house, downtempo, chill out といった言葉でピピッときた方にはオススメです。
http://www.bluecat.it/ (bluecat: electronica with a jazzflavour)で試聴できるみたいなので興味のある方はぜひ。

Charlie Haden with Michael Brecker「American Dreams」

ここ数年、次々と美しいアルバムを生み出しているCharlie Hadenが、またまたやってくれました。今回もしっとりと心に沁みる、いいアルバムです。

Joe Zawinul「Faces & Places」

期待通りのZawinulサウンド。さまざまなエッセンスが詰め込まれていて、とても美味しくてとてもおなかがいっぱいになります。

Brad Mehldau「Largo」

こちらはある意味期待を裏切られたと申しますか、実験的なサウンドで驚かしてくれました。聴くほどに新しい発見のある、とても中身の濃いアルバムです。

Vinnie Colaiuta, Robben Ford, Jimmy Haslip「Jing Chi」

男らしい骨太フュージョンサウンド。「これ」といった目新しさは少ないけれど、ひたすらにカッコイイ!

深町純&ニューヨーク・オールスターズ「Live」

再発モノは反則かな、と思いながらもやはり凄い演奏なんで入れて しまいました。まさにオールスターズによるライブは、いつ聴いて も熱いです。CD化されて本当にめでたい!



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