Tokyo Jazz 2014.9.7 Night Session
D I S C O V E R
Ahmad Jamal
アーマッド・ジャマル(p)、 マヌエル・バドレーナ(per)、 レジナルド・ヴィール(b)、 ハーリン・ライリー(ds)
photo by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVALphoto by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL

1930年生れなので、今年でもう84歳の大ベテラン、かつてマイルス・ディヴィスが好んだピアニストとして、伝説的なピアニスト、アーマッド・ジャマルの東京Jazz登場である。
2013年の上原ひろみのデビュー・アルバム「Another Mind」のプロデューサーでもある。

非常にジャジーな演奏で雰囲気もある。ソロを奏でるというよりも、同じパターンを繰り返すことで、とても美しい音楽になっている。
過去も近年もJazzピアニストって、すごいテクニックでソロをバリバリとる・・・それとは対極的な演奏と考えて良いであろう。
最後に恩師に花束贈呈に現れた上原ひろみ。とてもハートウォーミングなステージだった。


1. Fitnah
2. Sunday Afternoon
En. Dynammo
En. Morning Mist
En. Blue Moon
● 菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール
スペシャルゲスト UA
菊池成孔(vo, sax, cdj)、 林正樹(p)、 鈴木正人(bs)、 早川純(bdn)、 堀米綾 (hp)、 大儀見元(per)
田中倫明(per)、 梶谷裕子(vln1)、 高橋暁(vln2)、河村泉(vla)、 森田香織(vc)、 UA(vo)
photo by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVALphoto by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL

DCPRGにつづいて、菊地成孔の別プロジェクトによる東京Jazz登場になった。
ペペ・トルメント・アスカラールは2005年に発表した「南米のエリザベス・テイラー」の世界観をシアター・アートとして表現するために結成されたスモール・オーケストラ。バンド名はスペイン語で、“ペペ”は「伊達男/女たらし」“トルメント”は「拷問」“アスカラール”は「砂糖漬けにした/甘ったるい」を各々意味する。

このバンドはストリグス、ハープ、バンドネオンが加わる、Jazzとすると不思議な編成で、菊池本人はSaxを吹き、ラテンな雰囲気を醸し出す。
ゲストのUAも、ポップスとは違い、歌声というよりかは声のパフォーマンスを魅せてくれる。
ラテン、クラシック要素もあり、正統的Jazzとは見えないが、そこに流れるJazzを感じる演奏に思う。

1. 即興:タケミツトーン with マンボ
2. 京マチ子の夜
3. 導引(登壇-UA)
4. ボーン・トゥ・ビー・ブルー
5. ランバネルの讃美歌
6. この街はジャズ過ぎる
7. キリング・タイム
8. バンドネオン・ソロ 9. ルペ・ヴェレスの葬儀

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上原ひろみ The Trio Project
上原ひろみ(p)、 アンソニー・ジャクソン(b)、 サイモン・フィリップス(ds)
photo by (c)岡 利恵子/(c)Rieko Oka (c)TOKYO JAZZ FESTIVALphoto by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL

再登場となる上原ひろみのザ・トリオ・プロジェクトは今回も素晴らしいステージを聞かせてくれた。
なんといってもこのトリオは見かけ上はJAZZのピアノトリオ編成なのだが、音も大きく、サウンドもスピリッツもROCKそのものだ。
大体、サイモン・フィリップスの大がかりなドラムセットはROCKであり、それだけでワクワクしてしまう。

今回も上原、アンソニー、サイモンの3人が、がっぷり3つ巴のインタープレイを見せてくれる。
上原のフレーズにサイモンが呼応し、アンソニーはリフのようなベースラインでROCKっぽさを醸し出す。
途中からはもうドラムソロばかりに聞こえ、上原は何をやってもサウンドの一部に飲み込まれる錯覚さえも覚える。
今年の東京Jazzのトリ・・・この時間になると普通は疲れているはずが、逆にエネルギーをもらいシャキっとしたライブだった。

1. Move
2. Player
3. Warrior
4. Dreamer
5. Alive
En. Spirit



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■総評
今回の東京Jazzは、出演者を見た時の予想ことごとくが外れて、思わぬところにハイライトになるという結果だったのではないかと思う。 何といっても収穫だったのが、小曽根真のビッグバンド、そしてミシェル・カミロx上原ひろみは、あまりにも素晴らしいパフォーマンスだった。

Fusionに限れば、ハービー・ハンコックランディ・ブレッカー、マイク・スターンも見れたなんて非常に豪華だ。 どちらも物凄った上記の直後出番であったため、割り食った感はあるが、いずれも好演奏を聞かせてくれた。 ちょっと予想したサウンドと違った感はあるが、これもFes.の醍醐味であろう。 また、高中正義も本当に多くの人たちの心に残る演奏だったと思う。

日本人としても高中正義、上原ひろみ、菊地成孔、小曽根真と、現在最も旬なミュージシャンが集まったので言うことなし。 また日本人Jazzが大健闘したという感が強いのが今回の特徴だったのではないだろうか。

再出演ということでは、ハービー・ハンコックは有明ビックサイト以来となり、チャカ・カーンは調布の味の素スタジアム以来である。 それだけ東京Jazzは歴史を刻んできたのだなと感慨深いのではあるが、まだまだこの先にも実に期待してしまいますです。(TKO)



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Reported by TKO

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