今回の東京JazzベテランJAZZメンとして登場したのが、Jazz MessengersやJAZZTETで有名なベニー・ゴルソン。
彼の作曲し、その後STANDARDになった曲も多く、その自作自演が楽しめるコンサートになりました。

ゴルソン作といえばWisper Not,I Remember Clifford・・・JAZZ好きなら耳にしたことはあるでしょう。
でも、それはゴルソン以外の演奏であることが多く、ゴルソン自身の演奏でということは少なく感じます。
例えばキース・ジャレットの弾くI Remember Cliffordは知っていても、数限りなくあるJazzピアノで弾かれるWisper Notを聞いたことがあっても・・・果たしてゴルソン自身のプレイではなにがあるかというと、つい首を傾げてしまいます。
それだけにこの自作自演のライブというのは、非常に価値の高いライブではないでしょうか。

アンコールでのBlues Marchだって、何と言ってもArt Blakey&Jazz Messengersということになりますが、これだって作曲はゴルソン。
これだけ人気曲を聞けて、なかなか満足なライブでした。（TKO）

マイク・スターンのトリオに、ゲストに小曽根が加わったバンドが登場。
この共演は凄かった。まさにマジックが起きたことを目撃することになりました。
これまで小曽根は上手いには上手いが、それはピアノ中心の編成であって、バンドでは如何に？という疑問がありました。
それが小曽根のバッキングは、マイク・スターンのバンドに馴染むだけでなく、サウンドに大きく貢献しているんです。

それに触発されたか、マイク・スターンも凄いソロを弾き出して、ピアノとの掛け合いも小曽根の参加ならではでしょう。
特にインスパイヤされたのがディブ・ウェックル・・・小曽根の細かいキメのフレーズにドラムが絶妙に呼応する。
こんな凄いウェックルはもしかしてチック・コリアのEB以来では(?)と思うほど興奮させられてしまいました。

またこの日はマイク・スターンもノリにノっていたようです。
曲に関係ないカントリー・フレーズで遊んで受けていたし、何かとステージ上ではしゃいでいました。
そんな調子が功を奏したのかギタープレイは超絶そのもの。あまりの弾きまくりに言葉も出ない・・・圧巻。
そしてスタンディング・オベーション・・・お決まりということでも無さそうで、自然発生したところがそれだけ凄いステージだった証明ですね。（TKO）

ありそうでなかったこのメンバーの組合せで一体何をやるんだろうと思っていた。
元ブレッカー・ブラザースが4名、ランディー、ミンツァー、スターンの組合せはジャコのバンドでもあった。アンソニー、デニチャンはスターンのバンドのレギュラー・メンバーでもある。
その答えは会場で販売されていたパンフレットに掲載されていたランディーのコメントに書いてあった。これは1月に亡くなったマイケル・ブレッカーへのトリビュート・セッションだったのだ。

1曲目に演奏「Shanghai」はランディーの曲ながら2003年のマウント・フジでのブレッカー・ブラザーズ再結成でも演奏されていた曲。
そして２曲目にはランディのマイケルのために演奏するというＭＣの後に「Strap Hangin'」が演奏される。ランディーによるとこの曲はなぜかマイケルはあまり演奏したがらなかったそうだ。
そして1曲おいてマイク・スターンの曲だけれどブレッカー・ブラザーズでよく演奏していたというＭＣの後に「Common Ground」。この曲のランディー、ミンツァーが交互にゆったりと情感を込めて吹くテーマはまるでマイケルへのレクイエムのようだった。

そして最後はなんとブレッカー・ブラザーズのデビュー・アルバムから「Rock」。かなりの難曲なのだが、臨時編成のバンドの割には2003年のマウント・フジでやったときよりもしっかりと演奏していた。

ブレッカー・ブラザーズのレパートリーは前日に出演したSoul Bob Bandでも演奏されていたが、サックスはビル・エヴァンスよりもこの日のボブ・ミンツァーの方がしっくりくるように感じた。（橋　雅人）

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