Steve Smith and Vital Information 「Live! One Great Night」 BFM Jazz(302062415-2) 2012 - U.S.A.  


Steve Smith(drums), Tom Coster(kb), Vinny Valentino(guitar), Baaron Browne(bass)
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○スムース系

今や数少なくなってしまった硬派のフュージョン・バンドの代表格と言えるヴァイタル・インフォメーションの最新アルバムである。
もっとも最新アルバムと言っても録音は5年近く前の2007年11月7日のオレゴン州の小さな田舎町アッシュランドでのライブ盤だ。

ヴァイタル・インフォメーションと言えば元ジャーニー、ステップス・アヘッドのスティーヴ・スミスをリーダーとし、元サンタナのトム・コスタ、元チック・コリア・エレクトリック・バンドのフランク・ギャンバレを中心としたスーパー・フュージョン・バンドだが、このライブの前年の2006年にギャンバレが脱退して新たなギタリスト、ヴィニー・ヴァレンティーノを迎え入れ、現在もこのラインアップで活動を続けている。

5年も経ってからのライブを何故今頃と思ってしまうが、アルバムを聴くとその理由が納得できる。 とにかく演奏に勢いがある。ミスタッチかと思われるような細かいミスもあるような演奏なのだが、バンドとしてのタイトなグルーヴ感が素晴らしく、聴いていて自然に音楽に惹きこまれてしまう。

ヴァレンティーノのギターはギャンバレとは違ってロック色はほとんどなく、ファンク色がより強くちょっとリトナーを連想させるようなスタイルだ。
そのギタリストの変化もバンドのグルーヴ感を強めるのに大きく貢献しているように思う。
またオーソドックスなジャズを感じさせるところもあり、それがバンドをより円熟させた雰囲気にしている。

スティーヴ・スミスのドラムスも1曲目の「Cat Walk」のイントロからバスドラがズンズンと響いてきて心地よい。

一緒に付いてくるDVDにも同じ演奏の白黒映像が収められている。(リージョンフリーで日本製DVDプレイヤーにて再生可)
画質は決していいとは言えないが、当日の演奏の熱さが伝わってくるような映像だ。
DVDにはボーナストラックとしてトム・コスタがアコーディオンに持ち替えてしっとりと聴かす「Positano」が収録されている。

尚、筆者は偶然にもこの収録の翌週にカリフォルニアのヨシズで行われたライブに行ってレポートしているのでそちらの記事もどうぞ。 (橋 雅人)



   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay