Mike Stern 「All Over The Place」 Heads Up(HUI33186-02) 2012 - U.S.A.  


Mike Stern(Guitar), Victor Bailey(Bass), Jim Beard(kb), Richard Bona(Bass,Vocals), Randy Brecker(Trumpet), Keith Carlock(Drums), Lionel Cordew(Drums), Al Foster(Drums), Bob Franceschini(Sax), Kenny Garrett(Sax), Dave Holland(A.Bass), Anthony Jackson(Bass), Tim Keiper(Perc), Tom Kennedy(Bass), Will Lee(Bass), Bob Malach(Sax), Chris Potter(Sax), Esperanza Spalding(Bass,Vocals). Leni Stern(Wah Wah Guitar). Kim Thompson(Drums), Dave Weckl(Drums), Victor Wooten(Bass)
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ●NY系

マイク・スターンの3年振りのニューアルバムである。
曲ごとにメンバーを入れ替えているが、唯一ジム・ベアードが全曲に参加し、アルバム全体のプロデュースをしている。

マイク・スターンのギター自体は今更説明不要の偉大なるワン・パターンで、一聴すればすぐにスターンとわかるフレーズのオン・パレードである。
変わったところと言えばちょっとアーシー雰囲気の曲「Half Way Home」でスライド・ギターを披露していることだろうか。
但し、それほど自信がなかったのか(?)隠し味的にしか弾いておらずスライドではソロもとっていない。
またエスペランザのヴォーカルと共演している「As Far As We Know」とデイブ・ホランド、アル・フォスターというアコースティックなリズム隊をバックにした「You Never Told Me」の2曲でナイロン弦のアコースティック・ギターを弾いている。

ギター自体は相変わらずなのだが、アルバムとしては曲ごとに効果的にゲストを配置することによっていろいろなサウンドが楽しめる作りになっている。
前述のデイブ・ホランド、アル・フォスターのリズム・セクションでアルバム中盤の3曲を固めていつもと違うアコースティック・ジャズな雰囲気を演出しているし、1曲目のクリス・ポッターのサックスをフィーチャーした「AJ」(=Anthony Jackson)はマイケル・ブレッカー・バンドみたいだし、ランディー・ブレッカーが参加した「Out Of The Blue」はブレッカー・ブラザーズを彷彿とさせるサウンドだ。
リチャード・ボナやエスペランザがヴォーカルを取る曲は彼らの世界に染まっている。

また多くの曲でスターンお得意のメカニカルでトリッキーなテーマが楽しめるので、この手の曲が好きな人にはたまらないだろう。

本人はワン・パターンの予定調和を貫きながらも、ゲストによって多彩な変化を演出していて、うまく2面性を調和させたアルバムである。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay