2004 Best Albums
セリエJ

近頃のフュージョンですが、ここ数年、年ごとにCD店の棚が縮小?していくようで、誠に寂しいものを感じます。しかし出る作品の中には、マニアだけが聴くのではもったいない、すぐれた作品があるのも事実です。これをどう一般に伝えていくのか、情報過多の時代にあって、なかなか難しい課題だとも思います。ともあれ、昨年のベスト盤を出してみました。あまり悩むことなく出てきた、というか、悩むほど選択肢が多くなかったといった方がいいか・・・(これまた寂しい話!)結局、ベテラン中心になってしまったのは、本物はやはり残るというこということでしょうか。

SPB「Straight Gig」

ギターリスト萩谷清氏を中心としたベテラン・スタジオ・ミュージシャンのユニット。本格派フュージョンとして何度聴いても飽きが来ず、長期に渡って愛聴しました。スタジオライヴということで、曲によっては演奏に若干ラフな部分があるのですが、そこがまたスリリングでカッコいいです。2004年、私のイチ押しです。

David Benoit & Russ Freeman「The Benoit Freeman Project 2」

 前作(1994)の時も楽しませてもらいました。今回、まさかもう一度やるとは思わなかったので結構興奮して購入しました。前作以上に上質感が高まり、一層大人のフュージョンとなったようです。こういう音楽を、一部マニアだけでなくゼヒ幅広い層に聴いてもらいたいと思うのですが…。

Fourplay「Journey」

 もうひとつ大人のフュージョンです。今回も大きな路線変更はなく、フォープレイ節は健在です。確かに、ある意味マンネリ傾向もないではないのですが、そこは海千山千の彼ら、というか、彼らの新作だと、何かやってくれそうでついつい手が出てしまいます。最近の録音は自然な音(デジタルっぽくない)が主流で、スムージャズも来るところまで来たと感じさせる作品です。

Boney James「Pure」

 スムース系ばかりで何ですが(^^; これがなかなかの力作だと思います。彼の以前の作品は、録音にどことなく大げさな空気感(彼だけでなく、当時のスムース系は大体がそうでした)があり、あまり好きになれなかったのですが、近年、より自然で素に近い音での録音が主流になっており、こうして聴いてみると彼が並々ならぬ実力を持っていることがよくわかります。何となく夏向きの曲が多いように思ったのも気に入った理由です。

Spyro Gyra「The Deep End」

 例年必ず私の年間ベストに顔を出すのですが、別にエコひいきではなく、やはりそれ相応の作品を毎年出してくるからです。今回ジャケットを見たら、往年の雰囲気を感じ、大いにうれしかったです。今回あまり理屈っぽくならず、夏を主体とした曲調が多いのも気に入りました。往年の名バンド、本来のスタイルに戻りつつあるようです。

Sam Kininger「Sam Kininger」

 発売当初、タワーレコードがかなり推していたようで、ついついそれに乗せられ購入しました。彼は、ジャズ系サックスとはやや文脈の違う、いわゆるファンク系なのですが、思ったほどアクが強くなく(録音がクリアなせいか…)、中にはスムース系のような曲があったりもして、結構楽しませてくれました。もっともっとアクが強くてもいいんじゃないかとも感じた一枚です。

松原正樹「Acoustic Age」

 彼自身、アコースティックギターは本職でないという認識があるようですが、心なごむ、なかなかの作品です。自作曲のリメイクというアイデアも面白いです。同時期に「Humanrhythm3」という、“ど”ハードな作品も出したのですが(CD店の試聴コーナーでちょっと聴いて遠慮しました!)、私は、こっちを推させてもらいます!



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