Minosrav Vitous「Magical Shepherd」Wounded Bird Records(wou 2925)1975/2003 - U.S.A. - Reissue   
              

Minosrav Vitous(el-b,g,synth),Herbie Hancock(p,calavinet,synth),Jack Dejohnette(ds),
Airto Moreira(perc),James Gadson(ds),Cheryl Grainger(vo),Onike(vo)

●骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B ○ブラック系   ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ○JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系   ○ECM系

ミノスラフ・ビトウスの再発作品。(多分、初CD化。)
ビトウスの本領はウッド・ベースにあるとしたら、全編でエレクトリックベースを弾く本作は異色中の異色作と言える。
最初聴いた時は音がゴチャゴチャして、ビトウスらしくないFunkに女性ボーカルなども入り、70年代の試行錯誤の中で生まれた珍盤の類かと思ってしまった。

しかし、ミノスラフ・ヴィトウスがWether Reportの初代ベーシストであることを思い出して聴くと、非常に面白く興味深い作品であることに気がついた。

まず、半分を占めるハービー・ハンコックにジェームス・ギャドソンのFunkな曲では、あたかもハンコックのヘッドハンターズのような路線にあり、ビトウスはここでポール・ジャクソンのようなFunkベースを聞かせる。
ビトウスとFunkといえば、WRの3rdアルバム「Sweet Nighter」の"Boogie Woogie Waltz"において、彼がWRの正式ベーシストであるにも関わらず、ビトウスにはFunkができないと代わりにアンドリュー・ホワイトがベースを担当するという前歴がある。
それを知って聴けば、Funkではザビヌルに比べれて一日の長があるハンコックとの共演は、サビヌルへのあてつけにも考えられて興味深い。

またドラムがジャック・デジョネットにチェンジしたセッションでは、メインになるボーカルを除いたバックはあたかも初期WRそのもののようなサウンドである。
やはりWRのオリジナル・メンバーのアイアート・モレイラもここに参加し、そのパーカッションも効いているからなお更である。
それはビトウスがWRでやり残したことを一気にはき出したような作品に思える。

この路線は以後は続かず、やはてビトウスはECMレーベルから独自のサウンドを生み出していくことを考えると、本作は過渡的な作品なのでしょう。また必ずしも音楽的に成功してるとは言えないかもしれませんが、ビトウスがかつてWRのメンバーであった痕跡を残したということでも珍しい作品です。

# WRなら初期も好きという方には興味深い作品に思います。また半分は裏ハンコック盤とも言えるかも?(TKO)
 
 
   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out_of_melody/code
Conservative                       Progresseve/Tricky
Ensemble                     Interplay