猛音(タケオン)Live
2005.11.23 シルバーエレファント
Guitar:猛音(takeon)  Bass:酒井 ねぎヲ(Negio Sakai)  Drums:谷本 朋翼(tomoyoku)
吉祥寺シルヴァーエレファントと言えば、プログレッシヴ・ロックからFusionの、ある意味において隠れた聖地ともいえる場所。
そのような場所だけに耳の肥えた質の高いリスナーが集う、都心の超有名店とはまた違った独特の雰囲気を感じます。
この日は複数バンドが出演する日で、そろそろ猛音の出演時間という頃にはお客さんが多く、立ち見で身動きが取れないほどになっていました。

猛音のライブは、ギターの最初の1音でぶっ飛んでしまいました。
このサウンドはまじヤバイです。ヤバイというのは当然良い意味であり、そして「激しいサウンド」という枕詞の意味を、猛音のサウンドを聴く前、聴いた後では考え直さなくてはならなくなりました。

ギターのテクニックはまさに超絶で、有名なTOPプロと比較しても遜色ない凄みを感じます。
CDでは多重録音であろうと想像していたオーケストレーションのようなサウンド・・・それをまさか生の目の前で演奏されるとは度肝を抜かれました。
また、スィープ、早弾きなどもバリバリにこなし、何よりもフレットを縦横無尽に使ったシャープでエッジの効いたフレーズにも驚異を感じます。
それとソロが凄いギタリストにありがちなバッキングの弱さというものなど全く皆無で、実はカッティングにも魅せられてしまいました。その心地良さはデヴィットTウォーカーやレイ・パーカーJrのような歯切れのよさが心地良かったです。

それと、このバンドの魅力はギターだけでは無く、ドラムがまた超絶です。
ギター・ソロのバックでも、あたかもドラム・ソロのように叩きまくります。
ただ、これだけ叩いてもフロントに対抗するのではなく、バッキングしながらフロントをプッシュし、爆発しつつも押える部分は押えているのは流石です。
それに通常のドラム・ソロとは違う、どうやって叩くのだろうというくらいに様々なタイミングで繰り出されるフレーズには唸ってしまいました。

ベースもかなりのテクニシャンで、ギター、ドラムがソロをしている時のバッキングではシッカリとしたリズム・キープが音楽に芯を作っています。
他の楽器があれだけ激しくソロを取れるのも、ベースの生み出すノリが肝であると感じました。
そしてソロになると、それこそスラップやタッピングを軽々と、それも余裕を持ってクールにキメているところにベースプレイの非凡性を感じます。

1時間の持ち時間があっというまに過ぎてしまいました。この日はマキがはいっているとのことでMicは少なめでしたが、そっちも楽しめそうな雰囲気です。

周知の通り猛音はGibsonコンクールのアワード・ウィナーなわけですが、審査したのが日本を代表するTOPミュージシャンであり、またこの激しいライブを体験するにつけ、賞を取ったバンドである以上のなにかを持っていることを実感しました。
きっとこのバンドはその審査員の方々に脅威を与えたのではないかと想像に難くありません。
最近のFusionは甘口でとお嘆きの方が居たら、この猛音のLIVEをオススメしたいです。(TKO)
セットリスト
1.Cobain
2.Robin's Spanking
3.Eternal Children
4.Walkin'? This way? Come with me
5.Engage
6.She's Gone
1stアルバムレビュー
猛音のライブ演奏は彼らのHPで楽しむことが出来ます
All Rights Reserved by Cyber Fusion - jazzfusion.com
写真無断転載禁止のお願い
Report by TKO
PHOTO by アスワン