Newport Beach Jazz Festival 2002 Live Report



ニューポートと言えばジャズファンはアメリカ東海岸はロードアイランド州にある伝統あるニューポート・ジャズ・フェスティバルを思い浮かべる人が多いでしょう。今回はそのニューポートではなく、西海岸、南カリフォルニアのリゾート地であるニューポート・ビーチで5月に開催されたスムース系中心のジャズ・フェスのレポートを当サイトのアメリカ特派員、まいさんが送ってきてくれました。


2002.5.11
Gregg Karukas
Paul Jackson Jr.
Paul Taylor & Phil Perry
Average White Band
Brian Culbertson
Regina Belle

2002.5.12
Turning Point
Jeff Kashiwa & Chuck Loeb
Kim Waters & Maysa
Ronny Jordan
WAR
The Rippingtons featuring Russ Freeman


さて、カリフォルニアのNewport Beach(実はIrvine)にいらっしゃった方はおられますか? 私は5月10日、ロスアンゼルスから南へ車で1時間ほど南に行ったオレンジ・カウンティーはIrvineのDoubletree Irvine Spectrumに入り、11日、12日の2日間、屋外でのライブを楽しみました。しかし・・・暑かったですね〜。特に日曜日は、華氏90度(摂氏33度以上)を越えてましたから。屋外で、しかも日陰のない場所は、灼熱地獄のようで、多くの観客が木陰に避難しておりました。おかげで席はがらがら・・・。私が陣取ったのは、$150ドルのプレミア席の後ろ、芝生席です。持参したキャンプ用の折りたたみイスと拝借したホテルのブランケットでなかなか居心地のよい場所になりました。

ところで、こちらのJazz Festivalの注意事項・・・水や食べ物は持ち込み禁止。これはちょっとびっくりするような事項ですが、結局、会場の売店の売り上げを上げたい、それと他から持ち込まれたゴミを処分したくない、あとは最近のセキュリティ事情といった理由でしょうか。とにかく、会場に入ったら、すべて買わないといけない状態でした。もとい、クーラーボックスが持ち込み禁止なので、冷たいものが欲しければその場で買う以外に方法がありません。但し!開門よりかなり遅れて会場入りすると、ゲート付近での荷物検査が省略される可能性が大なので、自分で凍らせたお水や果物・スナック程度は隠して持って入れそうです(でも暑いので、早く食べないと別の意味で危険ですが。)

<Newport Jazz Festival(May 11, Saturday)>

ここで怒られそうなことですが、実は土曜日の最初のPerformer、Greg Karukasを見逃してしまったんですね(その日の夜、ホテルのラウンジでやったJam Sessionは見ました。)。会場までのシャトルバスが1時間に1本、しかもタダと言っておきながらチップとして一人$1払わせるという、若干せこいホテルの戦略にもちょっとがっかりし、2番目のPerformer、Paul Jackson Jr.から盛り上がることになりました。

Paul Jackson Jr.は相変わらずファンキーなギターで聴かせてくれました。彼は以前、Ritenourを師事していた・・・と聞いたことがありますが、そう自分で思い込んでいたせいかオクターブ奏法を頻繁に使ったり、Wes MontgomeryへのTribute曲を演奏したりと、なんとなくRitenourと音が重なりました。とはいえ、やはりPaul Jackson Jr.独特のファンキーなノリは秀逸でした。

Paul Taylorもかなり盛り上げてくれました。彼はいうまでもなく元RippingtonsのSaxですが、彼自身ソロアルバムを出してますから、その実力の程は皆さんご存知でしょう。私個人としては、ちょっと音が軽いのが、う〜ん、気になるところです。人それぞれですから、その軽い(「丸い」とも言えるのかな?)音が心地いいという人もいると思います。そこにPhil PerryのVocalが・・・。Phil Perryは前々回Hyatt Newporterで行われたNewport Jazz Festivalの際、RitenourのBandに参加してましたから、懐かしかったですね。彼の声は、ちょっとハスキーなんですが、でも非常にのびがあるという、独特の魅力がありますよね。Taylorの流れるようなSaxにPerryの歌声が伸びやかに重なって、気持ちのいい演奏でした。

次に出演したAverage White Bandは、Newport Beachでは大盛り上がりでした。Scotland出身のバンドで、演奏歴は20年以上といいますから、かなりのベテランの域なので70年代に「Pick Up The Pieces」という大ヒットを飛ばしたらしいですが、私は初耳でした。RockもしくはR&B系のVocal曲が多かったので、Instrumental好き私としては、「う〜ん・・・。」といった印象だったのですが、なぜか詳しく説明するほど音楽が頭に残っていないんです!?残っているのは、バンドのメンバーの一人が、タータンチェック(というのかな)のパンツをはいていたということで、なぜかその服装にScotlandを感じました。すいません、音楽的には全く関係ないです。

Brian Culbertsonは、最近Smooth Jazz系のAwardを取ったニューフェイスですよね。彼のステージ上での派手なジェスチャーやノリにはちょっと照れてしまいましたが、全体の音楽の色としてはドライブ感のある曲調で、Scott Wilkieとかなり重なるんじゃないかな?爽やかでファンキーなCulbertsonの音楽は、いかにも西海岸のラジオ局でオンエアされそうな感じですね。しかも彼の場合Tromboneも吹きますから、Brassが加わるという点ではScottよりも曲全体が濃厚になるといった感じでしょうか。しかし・・・KeyboardとTromboneっていう組み合わせも、すごかったです。才能溢れた新人ですね〜。

そして初日の最後、Regina Belle。実は、ほとんど見てないんです。この日、急に気温が下がり、ちょっと屋外の芝生でライブを見るにはつらい状況になりました。防寒服も持っていたのですが、疲れ気味の母も一緒だったので、残念ながら早々に退散いたしました。(ファンの方、ごめんなさい。)

<Newport Beach Jazz Festival(May 12, Sunday)>

2日目は、防寒もしっかりして早々に出発・・・したら、猛暑なんですね。なんと午前11時の段階で90F(摂氏で33度とかでしょうか?)近くになったようです。客席への開門は当初午前10時半となっていたのですが、実際には10時過ぎには開きましたので大して待つこともなくすんなりと会場へ入れました。このあたりは、臨機応変といいますか、かなり適当といいますか。

私達の前に並んでいたおじ様は、なんとMassachusetts州Cape Codから飛んで来たファン。このJazz Festivalの他にはNewport Jazz Festival(Rhode Island)も行く予定とか。なかなか熱心なファンです。彼はプレミア席でしたので会場に入るとすぐに別れ、私達はMPの前、プレミア席を囲う金網(これが結構邪魔で目線に入ります)のすぐ後ろに、ブランケット1枚分の場所を確保しました。日本なら「もっと詰めてください!」といわれそうですが、さすが広い国ですね〜。誰も気にしません。そして周りもかなり大胆な場所取りをしています。

さて2日目の最初はアスワンさんが5月の新譜紹介で取上げていたTurning Point。しかし、私は全く知らなかったグループなんですね〜。確かボーカルものが中心で、Jazz Festivalという印象ではなかったような・・・といってもこれは、私の個人的な主観ですが。そしてまたしてもあんまりはっきり音を覚えてないんです〜(ファンの方、ごめんなさい)。

とにかく、昨日より暑かったせいで、プレミア席も芝生も観客はまばらな状態。演奏するミュージシャンにとってもちょっと気が抜ける感じでした。私は・・・というと、実は木陰に非難。舞台向かって右側の木陰から楽しませていただきました。(真面目な話、本当に暑かったのです。)

さて、いよいよJeff Kashiwa登場。言うまでもなくRippingtonsの元Saxですが、彼自身はソロデビューアルバムである「Remember Catalina!」のあと「Walk A Mile」「Another Door Opens」、と立て続けにアルバムを出しています。曲調は、彼の非常に表情豊かで芯の通ったSaxを中心に小気味よくまとまった西海岸系サウンド、といった印象です。彼が8月に新しいアルバム「Simple Truth」を出すことから、そのアルバムから数曲(このアルバムも期待できると思いますよ!)、そしてもちろん以前のアルバムからも演奏しました。印象深かったのは、Hide Park(The 'Ah, Oooh' Song)。「Another Door Opens」の1曲目ですが、ドライブ感のあるリズムと彼の力強く優しいSaxの音がうまく絡み合って、思わず体でリズムをとってしまいます。そして、Jeffの呼びかけで観客全員での「Ah Oooh」の大合唱。これはすごく良かったですよ!緑に囲まれたステージと思い思いにリラックスして楽しむ観客との掛け合い、そして空を見上げればCalifornian Blueの澄み切った空。気持ちよさは文字では言い表せません。これこそがアメリカのJazz FestivalでContemporary Jazzを聴く醍醐味かもしれませんね。(・・・と詩人になってる場合ではなくて)・・・さらに贅沢を言うと、夕暮れ時、ちょっと暗くなりかけた頃に雰囲気に浸りながら聴きたかったですね〜。炎天下ではもったいなかったです、あちちちち。

そしてそこにChuck Loebが加わります。この人、ちょっと地味な印象がありますが、非常にいい音と即興を聴かせますよね。ちょっと記憶が定かではないのですが、昨年の彼のアルバム「In A Heartbeat」から1曲目の「North, South, East and West」をやったような覚えが・・・。私はその前のアルバム「Listen」を持ってますが、つっぱった音ではなくてあくまでゆるやかに流れる音、それとソロのかっこよさに感心したものです。彼のライブは4年前のCatalina Jazz Festival以来ですが、ギタリストというよりギター屋という、なにか職人的な印象のある人物なんですが、そのわりに音楽的には泥臭くない、かなりクールなサウンドだと思いますよ〜。(彼自身の新作が6月に発売になりますよね。)付け加えると、彼の参加しているMetroの新作は7月に出ます。前作「Metro Cafe」の2曲目「It’s All Good」ラストの彼のソロを聴いていただけると、なんとなく彼の音楽の「かっこいい気持ちよさ」がわかるかと思います。

さて、このあたりでお昼ご飯です。今回会場には、ピザ、ホットドック、中華、魚、チキン、えびなどのフライ、カキ氷、ビールなどなど、アメリカらしい食事が用意されていました。魚やえびのフライというのは、やっぱり海が近いって感じがしますね。しかもチリソースをつけて食べるとおいしかったですよ!アメリカの食事をご存知の方はよくおわかりだと思いますが、当然みんな量は多いです。ホットドックもかなり大きいですし、中華系のランチも、麺にご飯に炒め物に野菜に・・・・とかなり豪華。(しかし和食好きな方にはちょっと苦しいかな?どれもかなり油を使ってますし、日本の夏を象徴するような涼しげな「素麺」とか「冷麦」のようなさっぱり系の食事は全然ないですね〜。)お値段としては6ドル〜12ドル程度でしょうか。やはり高めではあります。ビールはHeinekenが提供で入ってましたので、すべてそこのビール。これがなんだか妙に高かったように感じました。多分6ドルとかしたのでは・・・。ただ、入れてくれるカップが日本のカップより大きいので、日本円に換算するとそれほどの値段でもないのかもしれませんが・・・。食べ物屋さん以外にも、帽子屋さん(私も買ってしまいました。)、サングラス屋さん、ドレスやさん、ぬいぐるみやさん(?)などなど・・・。楽しみながら適当に商売しているといった印象でした。

しかし・・・お昼を廻って、さらに観客がまばらです。みんなブランケットを大胆に広げ、ビーチチェアーを並べるところまではやりますが、肝心の本人達がいない!?しかも日本と違って遠慮がちに場所取りするわけでもないので、人がいないと本当にその空間ががら〜んと空いてしまうんですよね。よくよく観察すると、結構みんなあたりをふらふらしては、食べ物を買い、立ち食いし、店の人と談笑し、思い思いに楽しんでいるといった印象。演奏中におもむろに立ち上がっては、ビールやらポテトやらチキンを買いに行き、慌てるでもなく席に戻って、まわりの人と飲み食いしながら音楽を楽しむ・・・これはアメリカという風土が許す楽しみ方なのかもしれませんね。ちなみに私達は、隣に陣取られた地元の方に、イチゴを分けてもらいました。なんだかいい感じのご近所さんです。(ちなみにこのご近所さん、実はプレミア席のチケットを買っていたにも関わらず、「イスは窮屈だし、売店まで遠い。」と、わざわざ若干後ろの芝生席に、寝転がれるビーチチェアー持参で登場、そして帰り際にはバックステージパス(プレミア席購入者に渡される)を私に手渡し「これでアーティストに会って来るといいよ、僕はもう帰るから。」・・・なんといいご近所さん!・・・感動したので、そのパスは記念に取っておいてます。

続いてKim Waters & Maysa。Kim Watersは典型的Smooth Soundといった感じのアーティストですね。彼の軽くやわらかいSaxは、Paul Taylorよりもさらにスムースな印象です。2年前に出されたアルバム「From The Heart」を聴いていただけるとわかると思います。そして・・・どうもまた、印象が薄いんですよね〜。ファンの方、すいません。多分、あまりにKKSF(西海岸のスムースジャズ系のラジオ局)風なサウンドだったので、気持ちよく聴き過ぎてしまったのかもしれません。

Ronnie Jordanは、Paul Jackson Jr.よりもさらにBlack Contemporary寄りのアーティストです。とはいってもAcid系とは一線を画していて、あくまでサウンドはスムース系の軽いノリを残しています。かといってNorman Brownほどはスムース系じゃない・・・あ〜、ますます分かり辛い説明で、すいません。結論から言うと、私としてはちょっと曲調が似たり寄ったりな印象だったですね。Black Contemporaryの独特の「リズム感」とスムース系の「ドライブ感」がうまくミックスされているとは思いましたが、個人的にはもうちょっと曲調にメリハリが欲しかったかなって思いました。でも観客の方々はものすごくノッてらっしゃいました。立ち上がって踊りまくる方々多数、観客のいる芝生席に走りこんでくるアーティスト多数。日本で見るよりも、アーティストと観客の距離感が非常に近かったです。

The Warは、ご存知の方も多いと思いますが、70年代から活躍するソウル・ファンク系のバンドです。このグループを今回のJazz Festivalで初めて聞いた私は、Earth Wind & Fire風のお祭り的音楽をもっと泥臭くしたような(比較的多人数のミュージシャンで構成されたバンドで、音楽はノリが良く、観客参加型の意)といった印象を持ったのですが、観客の多くはもう長い間彼らの音楽に親しんでいるらしく、いきなり大盛り上がり。立ち上がって、みんなでダンス大会となっておりました・・・が、私はあまりの暑さにちょっと避難。Jeff Kashiwa&Chuck Loebで1時間近く炎天下にいたため、その後のグループは席に戻ったり木陰に避難したりを繰り返しておりました。(Warの時は・・・ほとんど木陰に避難しておりました。)彼らが演奏したのはジャズかと聞かれれば、やはり答えは「?」ですが、いい意味で観客がパフォーマンスに参加し、そしてちょっと息抜き(というのでしょうかね〜、リフレッシュというか。)が出来た演奏だったと思います。

さて、いよいよRippingtons。このあたりで、ちょうど背中側から夕日が伸びてきています。(Russ達を初めSaxのEric Marienthal、PercussionのScott Bredmanなどメンバーの多くがサングラス着用。かなりまぶしそうですものね。)しかし・・・この時点で引き上げる観客がかなりいました。翌日が月曜日ですから気持ちは分かりますが・・・ファンとしては「ちょっと待ってくれ〜!」と叫びたい心境。

さて、Rippingtonsのステージ、まずはアルバム「Live Across America」1曲目の「Road Warriors」でスタート。続いて懐かしい「Morocco」(「Kilimanjaro」)、流れるリズムと転調が気持ちいい「Summer Lovers」(「Taos」)。このあたりで、見上げるCaliforniaの空は、夕暮れ特有のパープルからインディゴへと変わります。(ようやくサングラスをはずして演奏。)懐かしい「She Likes To Watch」(「Moonlighting」)、テンポの速いラテン系「Avenida Del Mar」(「Life in the Tropics」)。

ここで、同じPeak RecordのEric Marienthalのアルバム「Turn Up The Heat」からの貴重な1曲「One Day In Venice」。Ericのこの曲も、言ってしまえば典型的Smooth Jazzではありますが、EricのSaxがかなり表情豊かでしかも音が特徴的なので、私としてはSmooth Jazz以外の音楽的要素もかなり感じられると思うんですよね。ちなみに、彼の最新作では、Russ Freemanも曲を提供しています。(実はこの1週間後のHyatt Newporterでのある意味本当のNewport Beach Jazz Festival〈何度も言うようですが、ここはIrvineであって、Newport Beachではないのでした。〉には、Ericのバンドが単独でスケジューリングされておりました。)彼のライブは、やはり数年前にCatalina IslandでのJazz Festivalで見ましたが、MCもなんだかちょっと愉快で(かなり早口ですが)、のびのびと自分の曲を演奏しているという印象でした。このEric、人によってはSidemanとしての方がBand Leaderとしてよりも合っているように見える、と感じる人もいるようです。確かに、アルバムを聴いて、「これぞ、Ericの音楽」というのがそれほど全面に出てないようにも思います。逆に「これぞEricの音」というのははっきりしているわけで、その意味ではSidemanであっても彼らしさが音と即興に現れているということですよね〜。どちらがいいか〜は、本人の選ぶことだとは思いますが・・・。

さて、再びRippingtonsに戻って、「South Beach Mambo」「Caribbean Breeze」(両曲とも「Life In The Tropics」)、それに「Black Diamond」(「Black Diamond」)。この辺の曲は、ここ最近のライブでは定番の曲ですね。そして新しいメンバー、PercussionのScott Bredmanによるソロ。これが何ともユニークで・・・本物のフライパンを使ってのDrumとのソロ合戦となりました。彼の前のPercussionist、Ramon Yslasがよく、舞台上にあるものを何でもPercussionに変えてしまう特技を使ってましたから、それに勝るとも劣らない「芸」(というと聞こえは変ですが)と言えましょう。(ちなみにRamonは現在Backstreet Boysで演奏しています。)Scottのソロは、ちょっと地味だけど非常に「締まった」ソロだったと思います。

さて、実はここで「みんなありがとう〜!それじゃあ!!」といってなんとRussは退場。時間の関係か、曲数はいつもよりかなり少なかったと思います。もちろん、これじゃあ観客は納得しませんから、即「One more!」の大合唱です。そして程なくメンバーは再びステージへ・・・。そして定番の「Tourist In Paradise」(「Tourist In Paradise」)に続いてPurple Haze(Kim Stoneがボーカルですね〜。)、そしてFireへ。このあたりの一連のアンコール曲は、多分ここ数年全く変わっていないと思います。ファンとしてはそろそろ新作を・・・と思うところですが、Russの気分次第といったところでしょうか?

さて、こうしてステージでの演奏が終わったあとは、やはりステージ裏へ乗り込まないと!ただ、今回の問題点は、私の購入したチケットが、単なるGeneral Admission(芝生席)だったため、ステージ裏には入れないんですね。気のいいご近所さんからのバックステージパスはあったのですが、いかんせん一人しか入れない(母が一緒でした・・・。)仕方なく・・・某知り合いの助けでなんとかバックステージへ。最近、アメリカの大きなコンサートでは、チケットにこうしたバックステージパスが付いたものが増えてきているようです。今回で言うと、General Admission(芝生席)は2日間通しで一人60ドル、これがプレミア席(前列5列目〜)&バックステージパスになると150ドル、さらにプレミア席(最前列〜4列目)&バックステージパス、さらに食事と飲み物が付いて280ドルになります。私も、多少の無駄遣いのできる社会人時代でしたら150ドルのチケットを購入したと思いますが(さすがに280ドルは高いですね)、貧乏な大学院生はやはり60ドル。しかし、とにかく、無事にステージ裏へ行くことができました。(この時のハプニングとしては、このステージ裏に入ってすぐ、私が木陰で休んでいる時に演奏していたWarのメンバーに声をかけられたこと。「俺達の演奏、聴いてくれた?」「・・・もっ、もちろん!」・・・といったものの、今ひとつ印象が薄い。気まずい・・・・。急いで付け足すように「でも踊りが下手だから、踊れなかったのよね。残念!」「・・・グワッハッハ・・・!」と、ちょっとほろ酔い気分のメンバーから軽く笑いを取ってその場を繕いました。ほっ。)

さて、私が話をしたのは、Kim Stoneと新しいキーボードのBill Heller、新しいパーカッションのScott Bredman。みんな明るく気さくで、非常に話し易い人達でした。(特にBill Hellerはひょうきん者で、つい先日あったメンバーを交えてのChatの際は、いい味を出していました。)そして驚いたのは、メンバーは結構ファンの書き込む掲示板を読んでいる!!私は自分の名前をそのままハンドルネームに使って書き込みをしているのですが、名前を言うと「あ〜、日本からアメリカに来た・・・」とピンと来ている様子。(というわけで、みなさん、頑張って掲示板に書き込めば、メンバーはかなりの確率で読んでますよ〜。)

Russ Freemanともほんの少し話ができました。Russは相変わらず忙しい人ですね。本当に軽く挨拶をした程度でしたが、この翌日にはMalibuで写真撮影があるとのことで、バタバタ・・・。それでも笑顔で会話をしてくれたことに感謝といったところです。彼一人が別行動となって会場を後にし、残りのメンバーはなんと私達と同じホテルへ直行(今回のJazz Festivalで割引をしてくれたホテルなので、まあ、ある意味アーティストの宿として提携していたのでしょう)。ツアーマネージャーの計らいで、タダでバーで軽く飲めるらしい・・・のですが、もちろんそんなところまでは一緒にいないので、ここでお別れですね。

・・・Jazz Festivalのレポートというよりは、私の「観察日記」のようになってしまいましたが、Newport Beachの雰囲気は伝わりましたでしょうか?実際には、本当にいろいろな人と話ができるし、ちょっとしたことで隣の人と会話が生まれます。英語の苦手な方もそうでもない方も、音楽という共通の話題があれば怖いものなし!ぜひ来年、ちょっと違ったVacationを楽しむために、気楽な気持ちでいらっしゃってみてはいかがでしょう!




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