10/21/2001 六本木ピットイン 梶川 朋希(g) 山本 ヒロアキ(key) 町田 浩明(drs) 野田 博(b) 日野林 晋(sax) |
1ST 1.Majin 2.FIRST STEP 3.2ND STAGE 4.MR. SEVEN 5.HYOUTANJIMA |
2ND 1.DUNK 2.S.R.T. 3.GARDEN 4.CARAVAN 5.A NIGHT IN A STRANGE TOWN 6.K's B.. 7.FIRST CALL(アンコール) |
NY系サウンドの復活!新星現れる! | |||||||||||||||||
3rdアルバム「Self-reliant Tact」の発売記念と銘打ったライブが行われました。 私は3rdアルバムのCDしか知らなく、この作品で体験したNY系のゴリゴリした骨太いストレートなサウンドが、ステージでも繰り広げられるだろうと想像しました。 いきなり「Majin」といういかにもそれっぽいタイトルでタイトル通り、トリッキーなメロディと強烈なパワーのサウンドの嵐が襲いかかりました。 ナチュラルな音色で滑るような運指のギター、CDとは打って変わって熱いソロのサックス、重厚なベースのリズム、4種類のキーボードを操りサウンドをまとめるキーボード、 そして炎のドラマーから繰り出されるパワーリズムはTKBのイメージ通りの曲です。 次の曲からは3rdアルバムで聴いた曲が続き、息苦しくなるような緊迫したスリリングな演奏が続きます。休憩を挟んだセカンドステージも今回のアルバムからの作品からの曲中心で3rdアルバムの中での目玉「S.R.T」もアルバムの雰囲気をそのままに妖しい雰囲気の鐘の音が効果音で入り、TKBのオリジナルのサウンドの芽が見えたような気がしました。 個々の曲の感想はこの位で省略させて頂きますが、彼らのステージを見て感じたことは、「客に媚びない、自分たちのサウンドを目一杯演奏しようという姿勢」を感じました。 随所にTKBらしい高度なテクニックのアンサンブルが散りばめられていて、聴く者を圧倒するパワーとインプロビゼイション中心の演奏は、コアなNY系のファンを満足させるものでは なかったでしょうか。 本格派のFUSIONサウンドが少なくなりつつある最近ですが、新人(?)バンドがイキのいいサウンドでぶちかませてくれるので、まだまだFUSIONも安心して聴いていられるという思いがしました。気になる点はMCがチト長かったことですね。(^ ^;)でもMCはこのバンド売りの一つかな?? (アスワン) |
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TKBは始めてということで、レポーターにTKBの昔からのファンである中嶋さんにお願いしました。 10月21日(日)、六本木PIT INNにてTKBによるライブが行われた。今回のライブはSaxの日野林晋を迎えて初、TKBとしては3rdアルバムとなるCDの発売記念ライブ。CDのタイトルは「Self Reliant Tact」意味は自主独立の新たなる指針ということで、新たなTKBを十分に予感させるステージであった。 7時30過ぎ、メンバーがステージ上にあがり始める。最初のナンバーはセカンドアルバム「2X8」からMajin。僕の予想では新曲のDunkから始まると思っていたので意外な展開となった。TKBの大部分の曲を手掛けるドラムの町田による曲でMajinというタイトル通りおどろおどろしいイントロから始まり、緊迫したギターのリフが続く。曲の展開はギターソロから始まり、サックス、ピアノと各自がソロを取っていくいつものTKBのスタイル。最初の曲だけあってちょっと惜しいところもあったが、メンバーのウォームアップも兼ねているようだ。いつもならエンディングのドラムソロが見ものなのだが、今日はちょっと抑え目(?) ここで少し長めのMC。MC担当(?)ギターの梶川によるメンバー紹介に続き、珍しくメンバーによるアルバムの紹介。ベースの野田は「いちフュージョン・ファンとして全体を通して楽しめる作品になった」、ドラムの町田は「みんなの友情がひとつに」とメンバーのアルバムに対する心意気が伝わってくる。 2曲目はFirst Step。3rdアルバムからでサンバ調の曲。サックスとギターのユニゾンのテーマで始まり、ブリッヂ部分でのベースがフレットレス風の音ですごく印象的。山本によるエレピでのソロが聞き物だった。このエレピの音が実に生々しく、TKBのサウンドがすごく上品に聞こえる。聞いていてゾクゾクしてくると言えば分かってもらえるだろうか。山本は曲に応じてピアノ、エレピオルガン、シンセと使い分けているが、音といいフレーズといいセンスの良さを感じる。 3曲目は2nd Stage。3rdアルバムからの曲が続く。TKBではめずらしいバラード調の曲。ベースから始まるイントロが印象的。ギターとサックスによる非常に歌心のあるソロに観客が引き込まれてしまった。スリリングな曲が多いTKBの中で、こういったバラードもじっくりと聞かせてくれるあたり懐の深さを感じられずにはいられない。 4曲目、5曲目とファースト・ステージの見せ場とでも言う曲が続く。4曲目のMr.Seven はギターの梶川による曲で拍子まで7/8拍子にするなど、非常にSevenにこだわった曲。略してM7と言うかどうかは本人に確認していただきたい(?) 静かに始まるクリーントーンのアルペジオに変拍子のドラムがからんできて、期待が高まる。途中、曲調が一転し梶川のギターソロに突入する。パット・マルティーノを意識したかのようなソロがこれでもかと言わんばかりにぐいぐいと聴き手を引き込む。続いてサックスの日野林による熱いソロがあり、さらに盛り上がった。息つくまもなく5曲目のHYOUTANJIMAが始まる。このあたりの展開はCDと同じだったりする訳だが、まったく曲調の違う2曲なのに違和感がないのが不思議だ。HYOUTANJIMAは少しアップテンポなシャッフル・ナンバーでサックスとギターによるユニゾンで始まる。曲中、色々な仕掛けがあるところあたりいかにもTKBらしい。ギターの梶川曰く「バタバタしている」なんて謙遜していたが、各自の高度なテクニックに裏付けされたプレイにとても「バタバタしている」なんて感じられない。 セカンド・ステージが始まり、メンバー全員が真っ赤なTシャツ姿で登場したので驚いた。この赤いTシャツにはジャケットのデザインがプリントされておりファンのリクエストに応えて作製したものらしい。セカンド・ステージ最初の曲は3rdアルバムのトップに収められているDunk。ベースの5弦を使った重いリフからはじまり、目まぐるしい展開で曲が進む。サックスとギターによる非常にテクニカルなテーマのユニゾンもバッチリと息が合っていて聴き手を圧倒する。巧みなハイハット・ワークに派手なドラムも相まっていきなり全開である。(笑)ギター・ソロのバックでドラムとベースによるファンキーなリズムに絡んでくるシンセの音がカッコ良くこれぞNYサウンドという感じ。ファースト・ステージでやらず、セカンド・ステージに持ってきたのも分かるような気がする。 2曲目は3rdアルバムのコンセプトを決定づけたと思わせるS.R.T.。スパニッシュフレーバー溢れるナンバーで、日野林はサックスからフルートに持ち替えている。シタール風のギター・サウンドにフルートが実にいい感じである。エンディングには鐘の音が入っていて、どこか外国に行ったような気分。この鐘の妙なタイミングが面白い。TKBの新たな可能性を感じた曲であった。 3曲目のGarden は2ndアルバムからで、キーボードの山本による作品。非常に美しいワルツで、TKBのライブには欠かせない名曲となっている。イントロで入ってくるベースも今回はコード弾きになるなど、演奏するたびにアレンジを変えてきている。こういった違ったアレンジを聞けるのもライブならではの楽しみ。 4曲目は3rdアルバムからベースとドラムだけによるCaravan。ここでもコードを多用したベース・プレイが特徴的で、途中からのスラップ・プレイがクール。ベース好きにはたまらないと思う。 5曲目も3rdアルバムからでA Night in A Strange Town。当初、新小岩の夜というタイトルだったが不評のため(笑)A Night in A Strange Townに変わったという。ラテン調の曲で、フルートとギターのユニゾンによるテーマから、情熱的なギターソロ、ベースソロと続く。TKB流の複雑なキメの後、入ってくるエレピのソロが素晴らしい。 セカンド・ステージ最後を飾る曲は3rdアルバムからでK's B. シャッフル・ブルースだが、色々と仕掛けがあるあたりはいかにもTKBらしい。熱いサックス・ソロに続き、さらに白熱のオルガン・ソロに圧倒される。山本のオルガン・プレイには定評があるが、さらに磨きがかかってきたと思う。なによりも小柄なカラダ全体を使って弾き倒す様子は、見ている方も熱くなってしまった。 最後の曲が終了後、鳴り止まない拍手に応えアンコールは2ndアルバムからFirstCallが演奏された。この曲もTKBを代表する曲の1つ。ドラムとベースから生み出される強烈なグルーブに自然とカラダが動いてしまった。( 中嶋 秀明 ) |
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TKBホームページ 「Self-reliant Tact」のCDレビュー Photo by WAHEI OHNUKI & 中島"KOH"睦巳 All rights reserved by Cyber Fusion |