この作品は紛れもなく70年代を代表する名作の中の一枚で、オールドファンなら一度は耳にしたことがある作品だと思います. 当時のアナログ盤ではA面が、映画音楽の様な組曲風の構成、B面が通常の単発の曲で構成されていました. 前半部の組曲風の構成は映画の様なストリー性を持ち、派手なライブ風の冒頭の曲から、いろいろ曲調が変化した曲が続き、ジャコのフレットレスのベースをフューチャリングした後半部でクライマックスを迎えます.まるで、華々しく登場した主人公がイロイロな事件に出くわす.そして打ちのめされジャコのベースのところで、人の心の温かさを知り、そして立ち直るという様な光景が浮かんできます. 確か「タクシードライバー」の映画音楽を手がけていたと思うので、その影響かな??と当時は思っていました. B面というか4曲目は彼の代表作と言っても良い「Breezin' Easy」で幕が明けます.魅力的な美しいメロディのテーマ、R.ティのエレピが非常に印象的です. それに加えて名作と言われる理由の一つがサックスソロの節回しが、素晴らしいですねぇ.テーマからの自然な流れに加えてテーマのメロディに拘束されないメロディの展開力ハ超一流のプロでしか味わえないアイディアと巧さがあります.バラード系のサックスソロはこう吹くんだよ、というお手本のようです. エンディングでもチロッとサックスソロが出てきますが、フェードアウトしてしまうので、非常に勿体無いですねぇ.このままサックスソロを聴きたいと、この曲を聴く旅に思います. 最後の「Beautiful Song」は、リリコン=T.スコットというイメージを代表する曲です.なんとなく不安定な感じのリリコンの暴れ馬を巧み手綱さばきでコントロールして、音楽に合わせて馬を踊らせている様な感じがします. 多くの人が望んでいた再CD化です.入手はお早めに ☆勿論、脳味噌錯乱級!!買いッ!!(アスワン)
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