Pat Metheny 「TAP John Zorn's Book of Angels Vol.20」 Nonsuch(7559-79587-5) 2013 - U.S.A.  


Pat Metheny(guitar,others), Antonio Sanchez(drums)
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ●アヴァンギャルド

現代音楽、前衛音楽、ジャズ、ユダヤ系音楽と型にはまらない音楽家ジョン・ゾーンが2005年辺りから連作でリリースしている「Book Of Angles」のシリーズのVol.20としてパット・メセニーが演奏を手掛けたアルバム。

アントニオ・サンチェスがドラムスでサポートしているが、それ以外はパットが全ての楽器を演奏し、ギター以外にベース、ピアノ、オーケストリオンの他、フリューゲルホーンまで吹いている。
「Book Of Angles」シリーズの多くはイスラエルのミュージシャンが演奏しているようだが、Vol.11はMM&Wが全面的に演奏、Vol.12にはジョー・ロヴァーノ、ユリ・ケインが参加している。
またこのCDはパット所属のNonsuchとゾーンのレーベルTZADIKからジャケット違いで同じものがリリースされている。

内容の方はまず感じるのが従来のパットのアルバムとはかなり印象が違うということだ。これは素材が全てジョン・ゾーン作曲なので当たり前なのだろうが、パット色が薄く感じられる部分が結構ある。

そしてアヴァンギャルド。
ギターの深く歪んだディストーションというよりはファズと言った方が適切な音色が新鮮だ。
もっともアヴァンギャルドと言ってもパットの過去の「Zero Tolerance for Silence」「Sign Of Four」などよりははるかに聴きやすいし、何故だか心地よい。
パットが歳をとって円熟したということなのか?それともそれがゾーンの素材の良さからくるものなのかは判断がつかない。

一方、アコースティック・ギターが登場するとそこはもうパット一色の世界になる。
素材がなんであろうが、パットの響きの方が支配力がかなり強いようだ。
そこはもう皆がお馴染みのパットの癒しの世界である。

全6曲が組曲のようになっていて、一気に聴けてしまう。

最初聴いた時は結構キツイかなとも思ったのだが、意外なほどというのも変だが、繰り返し聴こうという気にさせてくれるし、結構ハマる音でもある。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay