Gilad Hekselman 「This Just In」 Jazz Village Music(JV570013) 2013 - U.S.A.  


This Just In(guitar), Mark Turner(sax), Marcus Gilmore(drums), Joe Martin(bass)
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ●JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

イスラエル出身で現在はニューヨークを拠点として活躍するギラッド・ヘクセルマンの4枚目となるリーダー・アルバム。 今作は従来のトリオ編成に加えて昨年の来日時同様に曲によってマーク・ターナーのサックスを加えている。

1曲目の「Above」の出だしから一聴してすぐにヘクセルマンとわかるようなメロディー・ライン、響きだ。 メセニーの流れを組むギタリストなのだろうが既に独自のカラーというものを確立している。特にヘクセルマンの和声感は無調のようで美しく響くという独特のものがある。 リズム面でも、聴いていてリズムを見失ってしまうようなところが何度もあり、ちょっと間違うと完全なフリージャズになってしまうようなことをやっているのだが、それでもしっかりと音楽的な一体感を保っている。 これは最近チック・コリアのバンドにも抜擢されたドラムスのマーカス・ギルモアのタイム感によるところも大きいのかもしれない。

短い小品を挟んで続くタイトル曲「This Just In」では爆発的に技巧的なソロも堪能することができる。 今までアリ・ホーニグのバンドに参加しているときは弾いていたのに従来の自己のリーダーアルバムではあまり聴けなかったヘクセルマンの攻撃的なギターをやっと聴くことができる。改めて聴いてみるとちょっとホールズワースっぽい面もある。

彼からみると一世代前になるドン・グローニックの「Nothing Personel」のカバーは、ソロ部で和声感もビート感も原型をとどめないヘクセルマンの新感覚を馴染み深い原曲をベースに対比的に味わうことができる。

アルバム全体として彼の過去のリーダーアルバムと比較しても最高の出来栄えで、ヘクセルマンは名実ともに若手ナンバーワン・ギタリストであり、現役ギタリストの中でもトップクラスの演奏をしていると言ってしまってよいだろう。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay