インスト物のスタジオ録音としては1988年のガッド・ギャングの2ndアルバム以来25年振りというドラムの神様、スティーヴ・ガッドのリーダー・アルバム。
(ヴォーカル物としては近年のGaddaboutの活動があるが)
80年代のガッド・ギャングから2008年リリースのライブ盤「Live at Voce」などの近年のバンドまで一貫して貫かれてきたのは70年代のスタッフから脈々と続くR&Bをベースとしたグルーヴ感である。
日本タイトルを「ガッドの流儀」と題されたこのアルバムではメンバーを従来のニューヨークを中心としたバンドからLAを拠点とするミュージシャンにがらりと入れ替え、ジャック・ディジョネットやマイケル・ブレッカーとの共演で知られるオルガン奏者のラリー・ゴールディングス、LAスタジオシーンを代表するロック、ブルース系のギタリスト、マイケル・ランドウなどを擁し、従来のガッド人脈からは意外とも言える人選になっている。
一体どんなサウンドが出てくるのだろうと興味津々で聴き始めたが、このアルバムは1曲目から従来のガッドのサウンドとはかなり印象が違う。
ゴールディングスやランドウのフレージングやコードの選択からくるカラーの違いということもあるのだが、ガッド自身のグルーヴ感がかなり違うのだ。
従来のR&B路線の体が自然に動いてくるようなバウンスするようなリズムではなく、もっとイーヴンで、よりジャズ的もしくは曲によってはカントリー的なリズムの取り方なのである。
その名も「Country」というずばりのタイトルの曲が、カントリーノリで演奏されているのだが、これがキース・ジャレット作曲と聞くと結構意外である。
アルバムも終盤になって7曲目の「Who Knows Blues」、8曲目の「The Windup」になってようやく従来のR&Bよりのノリが登場するのだが、アルバム全体から受ける印象は前半から中盤までをしめる、ジャズ、カントリー的な部分が大きい。
と言う訳で初めて聴いた時は予想を裏切られて消化するのに若干時間がかかったが、聴きこんでいくに根底を流れるゆったりとしたガッドの渋さに惚れ込んでしまうようなアルバムである。
(橋 雅人)
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Slow |
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Speedy |
Light |
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Heavy |
Mellow |
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Hard |
Lyrical |
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Cool |
Melodious |
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Out of melody/code |
Conservative |
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Progressive/Tricky |
Ensemble |
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Interplay |
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