Randy Brecker 「The Brecker Brothers Band Reunion」 Piloo Records(PR007) 2013 - U.S.A.  


Randy Brecker(trumpet,rap), Ada Rovatti(sax), Mike Stern(g), Dean Brown(g), Adam Rogers(g), David Sanborn(a.sax), Will Lee(bass), Dave Weckl(drums), Rodney Holmes(drums), Mitch Stern(g), George Whitty(kb), Chris Minh Doky(bass), Oli Rockberger(kb,vocal), Jim Campagnola(b.sax)
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ●NY系

ランディー・ブレッカーの手によるブレッカー・ブラザーズのリユニオン盤で、全曲新曲からなるCDとブルーノート・ニューヨークでのライブDVDのセットになっている。

そしてランディーの亡き弟マイケルのポジションに座ったのは現ランディー夫人のイタリア出身の女性サックス奏者アダ・ロヴァッティである。
マイケルの穴を埋めるという重責を担ったアダの演奏は可もなく不可もなく無難にこなしているという印象である。
どうしても無意識にマイケルと比較してしまうだけに、無難にこなしているというのはかなりの高いレベルの演奏をしているということになる。
ソプラノを何曲かで使っているところに個性を感じる。

CD盤の方は1曲以外はランディーのオリジナルで1曲目の「First Tune Of The Set」という仮タイトルをそのまま題名にしたような曲からブレッカー・ブラザーズならではのランディー節のテーマが炸裂していて嬉しい。
アルバムを通していかにもランディーという曲調が並び、その中で近年のランディーのアルバムで何回か登場しているランディーがラップをするキャラ、ランドロイドが2曲で登場して変化をつけている。
1曲だけランディー以外の手による曲はアダとヴォーカルのオリ・ロックバーガーの共作によるAOR調の曲「Merry Go Town」でこれも意外と悪くない。

演奏はランディー、アダのホーン・セクション、ウィル・リー、ウェックル、ジョージ・ウィッティーのリズムセクションはほぼ固定ながら曲によって過去ブレッカー・ブラザーズに在籍したメンバーが入れ替わりゲストのような形で登場する構成で、これだけのメンバーが集まれば当然レベルの高い演奏で楽しめる。

ただ既に結成から40年近くたつバンドだけにマイケルに限らずドン・クロ−ニック、ハイラム・ブロック、ラルフ・マクドナルド、マーク・グレイ、バリー・ロジャーズなど多くのメンバーが他界してしまっており、彼らへの追悼メッセージがあるのが寂しさを感じる。

DVDの方はランディー、アダのホーン・セクション、ウィル・リー、ウェックル、ジョージ・ウィッティーに加えてギターにマイク・スターンが入ったメンバー。 このCDの新曲に加え「Straphangin'」,「Inside Out」,「Some Skunk Funk」が演奏されている。
「Straphangin'」ではアダがマイケルのソロをそのままなぞるような演奏をしていてマイケルへのレスペクトが感じられる。
またウィル・リー、ウェックルのリズム隊が秀逸で切れ味抜群だ。
ランディーも好調ぶりを感じさせる演奏で好感がもて、楽しめるライブだ。
それにしてもライブも新曲を中心に構成されており、ランディーまだまだ衰えずといったところだ。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay