Donald Fagen 「Sunken Condos」 Reprise Records(8362-49478-7) 2012 - U.S.A.  


Donald Fagen(vocals, kb), Larry Campbell(guitar), Earl Cooke Jr.(drums), William Galison(harmonica), Aaron Heick(flute), Jon Herington(guitar), Carolyn Leonhart(vocals), Jamie Leonhart(vocals), Jay Leonhart(a.bass), Michael Leonhart(kb), Joe Martin(a.bass), Cindy Mizelle(vocals), Charlie Pillow(clarinet,flute,sax) Harlan Post(bass), Jim Pugh(tb), Roger Rosenberg(b.sax), Kurt Rosenwinkel(guitar), Catherine Russell(vocals), Lincoln Schleifer(bass), Gary Sieger(guitar), Antoine Silverman(violin). Freddie Washington(bass). Walt Weiskopf(sax)
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ●歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

ドナルド・フェイゲンの6年振り、4作目となるリーダーアルバムである。
1作目の名作「Night Fly」が1982年のリリースで、30年間でたったの4枚という寡作ぶりなので、今回はたった6年で新作がでてきたという感覚である。

タイトルの「サンケン・コンドズ」を最初に聞いたときは英語っぽい響きじゃないのでどういう意味だろうと思っていたのだが、内ジャケットの海の中に沈んだ建物の中で女性が浮いているイラストを見て納得。英語で「沈んだコンドミニアム(=マンション)」という意味でした。
日本語表記的には「サンクン・コンドゥズ」とした方が英語発音により近いだろうか。

内容のほうが1曲目からあの声、浮遊感のあるコード進行、独特のホーン・アレンジとお馴染みのフェイゲン節が全開で、よく言えば安心して聴ける、悪くいうとワンパターンのサウンドでもあるのだが、これが好きでファイゲンやスティーリー・ダンを聴き続けているものにとってはやっぱりこれじゃなくてはという変えてほしくない部分でもある。

目新しさを感じるのはアイザック・ヘイズのカバー曲「Out Of The Ghetto」で、フェイゲンらしからぬ切れ味のよいファンク感を前面に出していて、これはこれで新鮮なカッコよさがある。

またアルバムの随所で聴かれるジョン・ヘリントンのブルージーがギターがいい味を出していて印象に残る。

オーディオ的には前作「Morph The Cat」ではかなりベースがぶんぶんと前面に出ていたのが、このアルバムではぐっと奥に引っ込んでどちらかというともこもこと輪郭のあいまいな音になっていて、それが全体の音のバランスを中高音よりにして軽くしているように感じる。

今月の後半にはマイケル・マクドナルド、ボズ・スキャッグスを伴った来日公演が予定されていてバック・バンドのほとんどはこのアルバムの録音メンバーとかぶっているようなのでこちらも楽しみである。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay