キース・ジャレットが以前に率いていたヨーロピアン・カルテット。
今回、1979年に吹き込まれたヨーロピアン・カルテットの未発表ライブ盤がリリースされた。
このヨーロピアン・カルテットはECMレーベルの所属プレイヤーで組まれたバンドであり、キース・ジャレットとヤン・ガルバレクとが共演するという、今になってみれば夢の顔合わせである。
それもリズム・セクションではパレ・ダニエルソンとヨン・クリステンソン・・・数多くのECM作品での演奏を残すこの二人とも共演しているというのも奇跡的だ。
「My Song」や「Belonging」といった、有名盤を聞き始めた頃には感じなかったが、ECM作品を何枚も聞いてくると、この顔合わせがどんなにスペシャルなものかが分かってくる。
なんせ、80年代以降のキース・ジャレットはピアノ・ソロ、ピアノ・トリオがメインであり、本作のようなグループ作品を30年以上は出していないのだ。
よって、この未発表アルバムは、ファンからすれば誰かの埋蔵したタイムマシンを開けたような感慨がある。
いや、まさかこんなアルバムがこの時期に出てくることは予想もしなかったのだ。
このライブアルバムには“マイ・ソング”、“カントリー”といった有名曲は含まれていない。いや、それどころかこのグループのスタジオ録音の曲ですら、全く含まれない。
代わりにこのグループのライブアルバムである「Nude Ants」「Personal Mountain」とは大いに曲がかぶることになる。
つまりはこのグループ・・・スタジオ録音はまるでライブで演奏しないで、ライブはライブ用の曲だけを演奏していたということなのか?
ちょっと、他では考えられないけど、そういう不思議なところがキースらしいといえばキースらしい。
「Nude Ants」はアメリカのヴィレッジヴァンガード録音、「Personal Mountain」は日本でのライブ録音、そして本作も日本の中野サンプラザでのライブ録音である。
当時ECMはTRIOレコードと契約があり、吹き込みにはそのTRIOが協力したらしい。
なんにしてもプレイヤーが皆まだ若い。
キース・ジャレットのピアノなんて、ぴちぴちしている。
当時でもソロこそは評価されてはいたが、それ以外ではまだまだ意欲的でかつ野心に溢れたアグレッシブで尖っていた時期。
ヤン・ガルバレクも今でこそJazz〜民族音楽〜クラシック古楽と幅広い活躍を見せるが、当時は北欧Jazzの代表的サックス奏者として、生き生きとしたプレイを聞かせる。
どの曲も長尺で短くても7分、それ以外は全て10分を超えて、28分の曲もある。
こういう演奏時間というのは、キース・ジャレットのソロピアノとあまり違いが無い。
むしろ、このバンドはキースのソロピアノのバンド拡大版と言っても良い。
普通のJAZZの単なるソロ回しで長いのではなく、音楽的な流れがあってこその長さなのであって、キースが表現するのに要した結果なのであろう。
それにしてもこの演奏が30年以上も前というのが信じられないほど、サウンドがみずみずしい。
つい最近の録音だと言われても信じてしまいそうなくらい、つまりは録音〜マスタリング等の技術向上にもよるが、そこはECMの徹底したサウンドポリシーのなせる技にも思える。
ここのところキース・ジャレットというと、ソロ、トリオ中心だっただけに、実発表とはいえ、グループでの新譜はとても新鮮です。
# 改めて聴くとキースのバンドも良いので、再評価の契機になるかも。 (TKO)
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Out of melody/code
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Conservative
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Progresseve/Tricky
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Ensemble
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Interplay
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