Wayne Krantz 「Howie 61」 Abstract Ligix(ABLX34) 2012 - U.S.A.  


Wayne Krantz(guitar,vocals), Henry Hey(piano), Owen Biddle(bass), Nate Wood(drums), John Patitucci(bass), John Beasley(piano), Charley Drayton(drums), James Genus(bass), Keith Carlock(drums), Tal Wilkenfeld(bass), Vinnie Colaiuta(drums), Gabriela Anders(vocals), David Binney(sax), Paul Stacey(slide guitar), Pino Palladino(bass), Jeremy Stacey(drums), Anton Fig(drums)
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ●歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

ギタリスト、ウェイン・クランツの最新作は前作でも一部フィーチャーしていたヴォーカルを前面に押し出した作品になっている。
全10曲中完全なインストは2曲のみである。

とは言え、ニューヨーク・シーンで異彩を放ってきたクランツだけにただの歌ものにはなっていない。
1曲目のタイトルチューンの「Howie 61」はボブ・ディランの「Highway 61 Revisited」をもじったタイトルらしいが、そこでのヴォーカルはまるでディランがラップをしているかのような雰囲気だ。一方バックトラックはビート感はあるもののかなりアブストラクトな響きを聴かせていて独特の空気感を醸し出している。
他の曲でも決して巧いというヴォーカルではないが、曲調にマッチした(というか曲をヴォーカルに合わせいると言ったほうが正解か?)味のある声を聴かせている。

またクランツのギターは8ビートを中心としたゆったりとしたフレーズが印象に残って、リズムよりも響きを優先させているようで、以前のカミソリのような切れ味のギター・スタイルからは変化させてきている。

ポップさと難解さが混在したとにもかくにもクランツならではのOne And Onlyなアルバムである。 (橋 雅人)



   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay