ピアノ・ソロを経てリリースされた上原ひろみの最新作は原点回帰のピアノ・トリオ作である。
そしてリズム・セクションはデビュー以来組みなれたT.グレイ、M.ヴァリホラではなく、アンソニー・ジャクソン、サイモン・フィリップスというベテランの超へヴィー級がバックアップしている。
アンソニーは過去上原のアルバムに何曲か客演しているが、フィリップスとは初共演となる。
フィリップスはジェフ・べック、フランク・ザッパ、フィル・マンザネラらのバンドを渡り歩き、近年ではポーカロ亡き後のTOTOのドラマーとして知られる、ロック系最高峰のセッション・ドラマーと言える存在である。
ジャズ・ピアニストとは言え、その演奏に常にプログレっぽさを感じさせる上原との相性は非常によい。
アルバムは1曲目のタイトル曲「Voice」、2曲目「Flashback」と上原節満開の曲調という展開だ。
その中でフィリップスがほとんど曲中を通してドラム・ソロのようなモードでこれでもかと叩きまくっている。
またボトムを支えるアンソニーはリフのようなフレーズをびしばし決めている。
上原はアルバムを通してアコースティック・ピアノ主体の演奏でシンセはアクセントのような使い方だ。
これだけへヴィー級のリズム・セクションが、フロントを食わんばかりに叩きまくり、弾きまくっている中で、溢れでるようなピアノソロで十分互角に渡りあっている。
またちょっとブルースタッチな「Now or Never」、跳ね系のリズムが新鮮な「Desire」、そして大胆にスローブルースのようなにアレンジを施したベートーベンの「悲愴」では従来とちょっと違う上原の新しい面を覗くことができる。
それにしてもスタジオ盤にしてこれだけ熱い演奏。これは何としてもライブを見なくてはというバンドだろう。
ボーナスDVDにはメンバーのインタビューと「Now or Never」のスタジオライブ映像が収録されている。
(橋 雅人)
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Slow |
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Speedy |
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Cool |
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Out of melody/code |
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Progressive/Tricky |
Ensemble |
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Interplay |
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