渡辺香津美 「Tricoroll」 East Works Entertainment(EWBS-0184) 2011 - Japan  


渡辺香津美(guitar), Janek Gwizdala(bass), Obed Calvaire(drums), Horacio El Negro Hernandez(drums)
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

渡辺香津美の最新作はニューヨーク録音のトリオ作である。
2003年から2006年にかけてMo'Bop3部作をリリースしたリチャード・ボナ、オラシオ・エルネグロ・エルナンデスとのトリオの続編となるようなフュージョン系エレクトリック・トリオ作である。
ベース、ドラムスはヤネク・グイズダーラ、オベド・カルヴェールという若手の2人を中心としているが、オラシオも4曲で叩いている。

1曲目からMOBOに収録されていたShang-Hai(MOBO#1)のセルフカバーを披露しているのだが、この曲、83年録音のオリジナルはマーカス・ミラー+オマー・ハキム、スライ・ダンバー+ロビー・シェイクスピアのダブル・リズム・セクションにマイケル・ブレッカーまで加わるという超強力な布陣で演奏されていたのものだ。ところがさすがに1曲目に持ってくるだけあって、はっきり言って今回のトリオでの演奏の方がリズム隊、香津美のギターともにカッコいい。リズムはよりシンプルだが力強く、香津美のギターもしっかりとうたっている。

リー・モーガンで有名な「The Sidewinder」のアレンジも斬新でカッコいい。

そのほかにもYMOの「Rydeen」のカバーや、新曲、セルフカバー、スタンダードまじえながら、最新のギター・トリオ・サウンドをしっかりと堪能することができる。
またギター・トリオと言っても随所でギター・シンセが使われたり、オバーダブされていたりと曲調によってサウンドに厚みを持たせている。

アルバムを通じてリズム陣のパワーと、それに呼応するかのようにストレートにかつある時はロック色も感じさせる香津美のギターが印象に残る。 (橋 雅人)



   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay