Miles Davis Quintet 「Live in Europe 1967 The Bootleg Series Vol. 1」 Columbia/Legacy (8697 84053) 2011 - U.S.A.  


Miles Davis(tp), Herbie Hancock(piano), Wayne Shorter(sax), Ron Carter(bass), Tony Williams(drums)
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ●JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

アコースティック・ジャズ史上最強のユニットといっていいであろう1967年のマイルス・デイビス・クインテットの未発表ライブ集である。
CD3枚とDVD1枚に以下のライブが収録されている。
CD
10/28 Antwarp, Belgium
11/2 Copenhagen, Denmark
11/6 Paris, France
DVD
10/31 Stockholm, Sweden
11/7 Karlsruhe, Germany

1965年に名高いプラグド・ニッケルでのライブを残したユニットの最後のツアーを収めたもので、このツアーの直後からマイルスは電化サウンドへと舵を切っていくこととなる。

実はこれらの音源はマニアの間では以前から非公式に流通していたものばかりなのだが、それを公式盤としてリリースしたため敢えて「The Bootleg Series」としているのだろう。
Vol. 1としたところから見るとこれからも続編がでてくるということだろう。
音質を今回の公式盤と手元にある非公式音源を比較してみたが、はっきり言って大きな差はない。
おそらくは当時のラジオ放送用に録音されたものなのだろうが、同じユニットの1965年のプラグド・ニッケルのライブと比較するとダイナミック・レンジ、音場感ともかなり狭く、そういう意味で公式盤レベルの音質ではない。(と言っても聴くに堪えないブート音質というものではないのだが)

演奏内容はこれだけのメンバーなので、悪いはずはないのだが、プラグド・ニッケルと比較すると妙にこじんまりとまとまった演奏になってしまい、勢いには欠けるように感じられる。
そのあたりがマイルスがアコースティック・ジャズに限界を感じて、電化を推し進めた一因でもあるのだろうか。

いずれにしてもこのような歴史的な演奏が公式盤として入手しやすい形でリリースされるのは歓迎すべきことである。
輸入盤付属のDVDはリージョン0で日本仕様のDVDプレイヤーでも再生できた。 (橋 雅人)



   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay