ECMの今年一番になるだろうと思われる作品が出ました。
メンバーは、ECMミュージシャンが集まったオールスターものの様相があります。
しかし、それが単なるセッションに終わらないのがECMたるゆえんでしょう。
いずれも名だたるミュージシャンばかりで、コニッツ、メルドウはECMにはリーダー作は無いですが、ECM名盤にサイドメン以上の重要メンバーとして参加しています。
ヘイデンとモチアンはECMにリーダー作やサイドメンとしても数多く作品を残しています。
曲はJazzのスタンダードばかりです。
他のレーベルであれば、普通に聴きやすい4ビートJazzが連想されそうです。
しかし、本作品はECMですので、思った通り、ひと癖もふた癖もあります。
昔クール派だったコニッツは、ECMではさぞやクールと思いがちですが、意外にECMでのコニッツはウォームな感じがします。
メルドウはデビュー時にコニッツのサイドを経験したこともあり、いまや大物して登りつめたメルドウとコニッツの再演もなかなか興味深いですね。
バラードでモチアンがブラシを持つと、ついビル・エヴァンスを思い起こし、メルドウのピアノを対比させて聴いてしまいます。
このあたりのメルドウは、大御所に囲まれた時は実に美しいピアノを弾くのですが、モチアンを意識してか、なにかビル・エヴァンスを連想するような抑えた音づかいがなかなか素敵です。
それとヘイデンの存在感もばっちりで、特にメロディに富んだベースソロも聴きどころのひとつです。
このシミジミとしたベースとその音色が、このシリアスで抒情的な音楽にはばっちりはまってます。
注目したいのは“Solar”や“Oleo”で、この曲はアブストラクトな様相を呈します。
ここで思い出してもらいたいのは、ヘイデン、モチアンというコンビは、実はキース・ジャレットの元アメリカン・カルテットのリズム隊なのです。
編成も一緒なので、メルドーをキース、コニッツをレッドマンと見立てて聴いてみると、アメリカン・カルテットのオマージュにも聴いて取れます。
非常に美しいリリカルな音楽と、アブストラクトでシリアスな音楽が交互するアルバムです。
とても聴きごたえがあり、聴きやすさも同居してる、まさに現在最も新しいECM名盤と言えるでしょう。
#最近ECMのめぼしいJazzは少ないですが、名盤が出るときは出るんですね。(TKO)
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Slow
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Speedy
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Light
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Heavy
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Mellow
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Hard
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Lyrical
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Cool
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Melodious
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Out of melody/code
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Conservative
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Progresseve/Tricky
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Ensemble
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Interplay
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