フュージョンを代表するミュージシャン150人のプロフィール、ディスクガイド集。
2000年刊行の熊谷著作のディスク・ガイド「フュージョン」の続編というか副読本になるような作品。
150人はギター、ベース、ドラムス・パーカッション、キーボードの4セクションに分けられ、そのプロフィール、ディスク紹介はミュージシャンによってそれぞれ半ページから4ページ程度のスペースが割かれている。
フュージョンと一言で言ってもそのジャンルの境界線を明確にすることは難しいと思うが、ここでは著者はフュージョン全盛期であった70年代、80年代に活躍したミュージシャンに絞り込む形で人選している。
前作ディスク・ガイドと違い、リーダーアルバムをリリースしていないサイドメンにもスポットライトをあてて取り上げてるのも特徴だろう。
またホーン・プレイヤーやグループ、日本人ミュージシャンは取り上げられていないので、これは続編に期待したいところだ。
使い方としては巻末にかなりしっかりとしたミュージシャン別索引があるので、ディクショナリー的な使い方もできるが、読み物としてそれぞれのミュージシャンのプロフィールを読んでいく方が、古い記憶を呼び戻したり、そうだったのかと新しい発見があったりして楽しめる。
また使用されているミュージシャンの写真が70−80年代のものが多く、現在の姿とのギャップもおもしろい。
全て読み終わると70年代から80年代にかけて一時代を築いたフュージョンというジャンル全体を俯瞰できるような内容で、こういう人もいたんだ、こういうCDもあったなということで、またCD購入に走ってしまいそうである。
(橋 雅人)
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