古川初穂ピアノトリオ 「おくにうた」 Vega Music Enterteinment (VGDBRZ0041) 2010 - Japan  


古川初穂(piano), 則竹裕之(Drums), 須藤満(Bass)
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ●骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ●JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

その昔は伝説のフュージョングループ羅麗若、近年ではValis, Methodなどに参加していた古川初穂のピアノ・トリオ・アルバム。リズム・セクションの2人はご存知元T-Squareのコンビである。
タイトルの「おくにうた」が示すように古川のオリジナル1曲を除いて全曲かなり古めの歌謡曲を中心にご当地ソングといった曲がカバーされている。
正直なところアルバムを聴く前は並んでいる曲名を見て色物系の企画物のアルバムかなとちょっと引いてしまっていたのだが、聴いてみると意外なほどストレートなアコースティック・コンテンポラリー・ジャズに仕上がっている。

1曲目の「雨の御堂筋」はリズム・セクションのドライブ感が見事なコアな高速4ビートにアレンジされて、原曲はほとんど原型をとどめていない。おそらく多くの人は原曲を知っていても、タイトルを見なければ曲名がわからないのではないだろうか。筆者も聴きだして「あれっ?」とタイトルを見直してしまった。
スローな4ビート系ブルースに変身してしまった「水戸黄門のテーマ」やバラード・ナンバーの「京都慕情」のレイドバックした雰囲気もなかなかよい。

終盤に収録されている「北の国から・遥かなる大地より」、「贈る言葉」はそのほかの曲に比べると原曲のメロディー・ラインがかなりはっきりと分かり易くなぞられていて、それまでの曲のアレンジとは違った趣になっている。
この辺りを聴くとやっとカバーアルバムらしいとも言えるが個人的には前半の大胆なアレンジのほうが好みである。

最後を飾る唯一のオリジナル曲「Little Flower」は古川の粒立ちのいいピアノの美しさが光る。

いい意味で予想を裏切ってくれて楽しめるアルバムである。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay