Stanley Clarke 「The Stanley Clarke Band」 Heads Up (HUCD3161) 2010 - U.S.A.  


Stanley Clarke(bass), Ronald Bruner Jr.(drums), Ruslan(kb), 上原ひろみ(piano), Cheryl Bentyne(vocal), Charles Altura(g), Armand Sabal-Lecco(bass), Bob Sheppard(sax), Rob Bacon(g), etc.
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

最近ちょっとアコースティックな指向によっているのかなという印象のあったスタンリー・クラークだが、このアルバムでは原点回帰のようなエレクトリック・フュージョン・サウンドを披露している。

しかも単に昔のサウンドの焼き直しをするだけではなく、アルタナ系ロックのリズムを連想させるような1曲目の「Soldier」やちょっとエスニックな不思議な感じを漂わせる2曲目の「Fulani」などなかなか斬新なサウンドを聴かせてくれる。

一方、オールド・スクールなファンク・サウンドを披露したかと思えばリターン・トゥ・フォーエヴァーの「No Mistery」をセルフ・カバーしたりもしている。

極めつけは創世記のフュージョンへのトリビュート曲ともいえるような「Larry Has Travelled 11 Miles And Waited A Lifetime For The Return Of Vishnu's Report」。タイトルを見ただけで嬉しくなってくるような曲で、内容もそのままだ。
このサイトをご覧になっている方なら解説するまでもないだろうが、一番ポピュラーでないと思えるところだけ解説しておくと「11」はラリー・コリエルの11th Houseから来ている。

また御大スタンリー・クラークのベースは速弾にスラップにと縦横無尽に活躍している。

上原ひろみはアコースティック・ピアノで一部の曲のみに参加だが、このアルバム内容ならピアノでなくてシンセかクラビで暴れまわったほうがおもしろかったかもと思う。

最近減ってきた本格的フュージョン・サウンドがたっぷり聴けて、内容もかなり充実していて楽しめるアルバムだ。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay