2008年のモントルーで行なわれたクィンシー・ジョーンズの75歳の誕生日を祝うスペシャル・ライブの模様を収めた映像作品。
同じくモントルーで行なわれDVDもリリースされているクィンシーのキャリア50周年記念ライブの続編のようなイベントである。

内容はG.フィリンゲン、N.イースト、P.ジャクソン･ジュニア、J.ロビンソンなどのクィンシーゆかりのメンバーが並ぶハウス･バンドとスイスアーミービッグバンドをバックにゲスト･ヴォーカリストが次々と登場してクィンシー･アレンジの曲を披露するというもの。

チャカ･カーン、アル・ジャロウ、パティ･オースティン、アンジェリク・キジョーなど豪華な顔ぶれが登場する一方、ちょっとこれはと思われるレベルのばらつきも感じられるヴォーカリストも現れる。
チャカとパティがフィリンゲンのキーボードだけをバックにしてデュエットで歌う｢Miss Celie's Blues｣はなかなかの聴き応えである。

パティ･オースティンのヴォーカルで懐かしの｢愛のコリーダ｣まで披露している。 また筆者は不勉強でこの作品で初めて聴いたのだが、アカペラグループのNaturally7がなかなか凄いパーフォーマンスを見せている。口ドラム、口ギターは既存のアカペラとは異次元かと思われる切れ味、音色で、コーラスのグルーブ感も切れ味抜群だ。

ゲスト･ヴォーカリストの合間を縫ってハンコック、リトナー、サンプルなどのソロ･パートも楽しめる。

メイキングのボーナス映像を含めると約3時間、盛りだくさんで楽しめる作品だ。
ちなみにクィンシーご本人は客先最前列で終始ニコニコしているだけで、メンバー紹介以外ではステージには登場しない。

このレビューには輸入盤ブルーレイを使用したが国内盤も含めＤＶＤ盤もリリースされている。 （橋 雅人）