ギタリスト、ウェイン・クランツの久々のスタジオ録音盤。
近年トリオでのストイックなライブ盤が続いていたが、今回スタジオ録音ということでなのか、同じギタートリオのフォーマットは保ちつつ、バンドとしてのサウンドは大きな変貌を遂げている。
1曲目のファンキーな曲からいきなりクランツのヴォーカルというかヴォイスが登場して意表をつかれる。
タイトルの「It's No Fun Not To Like Pop」、ポップが好きじゃないと楽しくないというフレーズが口ずさまれる曲は従来のクランツのサウンドからすると大幅にポップである。
もっともクランツの切れ味のよい独特なギター・スタイルには変化はなく、スピード感のある気持ちよい演奏になっている。
後半にはもっとヴォーカルが前面に出てくるクランツ流のロックンロールというかパンクナンバーまで登場する。
全11曲、アクセントとしてヴォーカルが取り入れられてはいるものの、基本はギター・トリオでのインスト・サウンドなのだが、近年のライブ盤でのテーマとインプロヴィゼーションが混沌としたかなり尖がったサウンドのクランツ・トリオに較べるとほとんどの曲は圧倒的に聴きやすい。
もっともポップだからと言って安易なサウンドになっている訳ではなく、どれも聴き応えのあるナンバーばかりだ。
クランツの新境地を開いているアルバムと言ってよいだろう。
(橋 雅人)
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Slow |
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Speedy |
Light |
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Heavy |
Mellow |
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Hard |
Lyrical |
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Cool |
Melodious |
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Out of melody/code |
Conservative |
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Progressive/Tricky |
Ensemble |
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Interplay |
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