Stan Getz Quartet 「Complete Live at Montreux 1972」 Gambit Records (69296) 1972/2009 - EU -Reissue  


Stan Getz(t.sax), Chick Corea(kb), Stanley Clarke(bass), Tony Williams(drums)
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ●骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○NY系

テナーのリジェンド、スタン・ゲッツが1972年にモントルーに出演した際の録音。
ご覧の通りチック・コリアを始めてとして豪華なリズム陣がバックを固めているが、これは同じく1972年に録音されたゲッツのリーダー作「Captain Marvel」の流れを組むものだ。
「Captain Marvel」は1曲以外全てチック・コリアのオリジナルで、同じく72年に録音されているRTFのデビュー作「Return To Forever」からそのまま移植したようなサウンドは裏RTFといってもいいような作品だ。ゲッツのリーダー作というよりはRTFのジョー・ファレルのトラでゲッツが加わった言ってもよいくらいのアルバムだ。
当時RTFを結成したばかりのチックはまだ仕事があまりなく、RTFのメンバーを引き連れてゲッツのバック・バンドにと売り込んだ結果だとチック自身が語っている。

このライブ盤はそのスタジオ盤からパーカッションのアイアート・モレイラが抜けただけの編成で、「Captain Marvel」から始まり「La Fiesta」で幕を閉じるライブはまさに「Captain Marvel」もライブ・ヴァージョンだが、アイアートが抜けた分、若干ラテン味が薄まり、その分トニー・ウィリアムスが前面にでてきている。
またチックの曲が中心の構成ながら間に「I Remember Clifford」といったスタンダード曲も挟みこまれ、若干ジャズ色の強いライブとなっていてゲッツの個性としてはスタジオ盤の「Captain Marvel」よりもより出ていると感じられる。

このアルバムのハイライトは11分半にも及ぶ「Time's Lie」で、曲を通してのトニーの強烈なドラム、そしてそれに絡んでいくチックのエレピが存分に楽しめる。

おろらく初CD化作品だと思うが、ゲッツ・ファンにというよりはトニー、チックのファンにお薦めのアルバムだろう。
ボーナストラックとして別メンバーによる「La Fiesta」を含む2曲の74年のライブも収録されている。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay