従来1枚物のアルバムとしてリリースされながら、長らく廃盤になっていて入手困難だった深町純がブレッカー・ブラザーズらを迎えた1977年7月3日、4日の2日間に渡るライブ・レコーディング「Triangle Session」が2枚組として蘇った。
2日間分の演奏を深町本人がベスト・テイクを選び1日分フル・ステージの曲目にしたという構成である。
いろいろな意味でこのアルバムは奇跡的と言ってもいいだろう。
まず第一に30年以上の時を経てレコード会社の倉庫の奥から完全な形でのマルチ・トラック・マスターが発掘され、それを元に新たにミックスされたアルバムであるということ。(それも高音質のSHM-CDというオマケ付)
それに今となっては新しい録音を望むことができない3人の故人、すなわちマイケル・ブレッカー、大村憲司、バリー・ロジャースの未発表の演奏が収められているということ。
特に大村はこのアルバムで素晴らしいギター・プレイを披露し、この時点で既にブレッカー・ブラザーズと対峙しても全く引けを取らないギタリストであったことを証明している。
今回初収録となっている大村のオリジナル曲「Left Handed Woman」でのプレイは必聴だ。
マイケル・ブレッカーはオリジナル盤に収録されていた「Funky Sea Funky Dew」に加えブレッカー・ブラザーズのレパートリー「A Creature of Many Faces」,「Squids」も聴くことができるし、何と高中の「Ready To Fly」でまでソロを取っている。
(ただし、この「Ready To Fly」のソロはマイケルとしては珍しくあまり出来のよい部類ではないのだが)
そしてこの2枚組で新たに明らかになった高中のゲスト参加である。
高中はラテン・メドレーという形で「Oh!Tengo Suerte - Mambo No5 -Ready To Fly 」を深町バンド+Breckersをバックに演奏している。
このライブの続編とも言うべき1978年録音のNew York Allstars Liveでは自己のオリジナル曲は1曲のみでゲストに母屋を取られてしまった印象もある深町だが、このライブではあくまでも深町のオリジナル曲中心で、作編曲家としての本領を発揮している。
これは日本のクロスオーバー・フュージョン史に燦然と輝くアルバムの1枚である。
こういうアルバムは初回プレスを逃したらもう手に入らないかもしれないので、確実に押さえておくべきだろう。
実は間違ってバカ売れして2日分の演奏完全収録の4枚組のコンプリート盤が企画されればよいのになあとも思っているのだが。
(橋 雅人)
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Progressive/Tricky |
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Interplay |
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