McCoy Tyner 「Guitars」Half Note(4537) 2008 - U.S.A.  
McCoy Tyner(piano), Ron Carter(bass), Jack DeJohnette(drums), Bela Flack(banjo), Bill Friesell(g), Marc Ribot(g), John Scofield(g), Drek Trucks(g)

  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ●JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

大ベテランのピアニスト、マッコイ・タイナーの最新作。
5人のギタリスト(1人はバンジョーだが)をゲストに迎え重量級のリズム・セクションを従えた意欲作になっている。
意外にも思えるが、マッコイ・タイナーが自分のアルバムにギタリストをゲストに迎えるのは初めてなのだという。

それにしても名前を見ても分かる通り、実に個性的な新旧取り混ぜたギタリスト達のラインアップだ。
この5人が並ぶと普段は個性が強いと思って聴いているジョン・スコのギターが一番フツーのジャズ系に聴こえてしまう。

1曲目はマーク・リボーとマッコイ・タイナーのデュオでのフリー・ジャズ風の短い即興曲から始まる。
ライナーによるとマッコイ・タイナーは昔コルトレーンとこのようなフリーの即興ジャムをよくやっていたとのことだ。
同じリボーの参加曲でもスタンダード・ナンバーの「500 Miles」では対照的に心地よいサウンドで演奏されている。

各ギタリストがオリジナル曲とスタンダード曲を両方を演奏する構成になっているので、個性的なサウンドと聴きやすいサウンドを両方楽しむことができる。
ジョンスコ参加のコルトレーン・ナンバー「Mr. PC」はこのメンバーで演奏されるとストレートに盛り上がっているし、ベラ・フレックがバンジョーでテーマを奏でる「My Favorite Things」はユニークな美しさを持っている。

またDVDとセットになっていてスタジオでのゲスト・ギタリストとマッコイ・タイナー・トリオとの演奏の各1曲づつ計5曲の映像がリハーサルを含めて収録されている。
映像はマルチアングル対応していて4人のミュージシャンの演奏を切り替えて見れるようになっている。
またボーナスとしてマッコイとリボーの即興デュオの映像が3テイク収められており、うち1テイクはCD未収録のものだ。

CDの74分を超える収録時間とDVDにヴァラエティーに富んだサウンドが個性たっぷりのサウンドがぎっしり詰まっているアルバムだ。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay