Metheny Mehldau「Quartet」Nonesuch (104288-2) 2007 - U.S.A.  
Pat Metheny(g), Brad Mehldau(piano), Larry Grenadier(bass), Jeff Ballard(drums)

  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ●骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ●JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○フューチャー系

パット・メセニー、ブラッド・メルドウの共演第2作目。
前作がデュオ中心で今回は「Quartet」と題されているので全てカルテット編成かと思っていたら、カルテットが8曲、デュオが4曲と前作同様にデュオもミックスされているが、カルテットに比重がおかれているという構成。
録音は2005年12月とのことなので、前作と同時に収録された残りのテイクということのようだ。

前作はデュオ中心の中でカルテット編成の曲がよかったので、この作品に期待していたのだが、聴いてみるとこのアルバムでは逆にデュオの曲がよいと感じるのは私が天邪鬼なのだろうか?
メセニーがピカソギターを弾いている2曲目の「The Sound Of Water」、後半のメセニーのアコースティック・ギターでかき鳴らすコードとメルドウのピアノソロのコンピネーションが新鮮な「Don't Wait」が、個人的お気に入りだが、いずれもデュオ編成のものだ。

独特のヴォイス感覚を持つメルドウと一聴してわかる個性的なギターのメセニーが、この作品で、どのようにぶつかりあい、どのように溶け合っていくのかという部分に注目していたのだが、それぞれのソロ部分ではバックにまわった方の音数がかなり少なめの、ソリストにより多くの空間を与えるような演奏をしていてお互いにちょっと遠慮しあっているかのように聴こえる。またバッキングではメルドウの独特のヴォイシングは影を薄め比較的トラディショナルな演奏をしているようだ。

カルテット編成であればもっと2人が正面から組み合ってくれるのではとの、期待が大きかっただけにちょっと物足りないようにも感じる。

もっともこのカルテットでこの夏はツアーを行い9月には来日公演も予定されているとのことで、その頃にはより進化した形でのカルテットを聴くことができるのではと楽しみでもある。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay